自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連)の佐藤信秋幹事長(参院議員)は25日、賃上げ意欲がある多くの企業が加点を受けるため、具体的に加点が認められるケースを示す『Q&A』を早急に提示する必要があるとの考えを示した。裏返せば国土交通省本省と財務省が協議して加点を認める多様なケースについて統一解釈を求めた形だ。=ニュース断面
24日の品確議連総会の席上でも、各地方整備局が企業からの相談を受け付ける相談窓口を設置しても、回答まで時間がかかったり回答できないケースも想定されることを理由に、佐藤議員は国交省本省に対し、「Q&Aは本省が早急に作成するように」強く要請していた。
加点となる対象や範囲について国交省と財務省の統一解釈を公表するよう求めるのは、運用で加点が認められるかどうか不透朗な状態で、手を挙げても結果的に認められず減点されたり、各地方整備局で異なる対応が出たり、真面目に検討している間に手を挙げる機会を結果的に失ったりすることを避けることが狙い。
佐藤議員は昨年末の財務省通知から2月8日の運用通知までについて、「本来は実績解釈をどうするかではなく、変えるべきは入口だが結果的に出口緩和。そもそも皆が賃上げする環境づくりをすることが目的で(賃上げ有無で加点・減点の)差別が目的ではないはず」と指摘し、「そのためには、手を挙げる努力を諦めてしまう企業が出ることは避けたい」とする。
その上で、「賃上げ加点は現在、政府調達だが、次は地方自治体に拡大する可能性も否定できない。最大の懸念は手を挙げる企業と手を挙げることができない企業が業界内で分断してしまうことだ」と危機感を示す。