国土交通省が7月に提示した運用指針(骨子イメージ案)に対する意見聴取で、柔軟な運用を求める声は、都道府県・政令市が54%、市区町村は71%にも上っている。入札段階や工事段階では、制度・方式を選定・制定する際の具体的な基準を求める声が大半を占めた。
運用指針での規定内容については、それが義務事項なのか、努力事項なのかが分かるように表現してほしいといった声も都道府県・政令市が17%、市区町村で8%と多い点も特徴となっている。
意見の詳細を見ていくと、調査・設計段階に関する意見では、予算措置や法定手続きなどを踏まえた方がいいといった意見や、技術者能力の評価においては、資格により評価する業務内容と具体的な資格を明確にして欲しいといった意見が多く寄せられた。
また、工事発注段階では、「各入札契約方式の選択の考え方、選択事例を異体的に示して欲しい」といった声が大部分を占めた。
入札契約段階では、予定価格の公表時期に対して、「発注者の判断で予定価格の事前公表も選択できるようにして欲しい」といった声が83%を占め、「低入札価格調査基準、最低制限価格の設定はすべての工事を対象にしないでほしい」の回答も64%を占めるなど、建設業界とは異なる意見も多かった。予定価格の適切な見直しでは「具体的な判断基準や見直し方法等を示してほしい」という声が圧倒的多数を占めている。
工事施工段階では、施工現場における労務単価の周知徹底に対して、「具体的な周知の目的や対象範囲、運用方法などを示して欲しい」といった意見のほか、社会保険等加入の徹底では「具体的な保険等の加入の確認・連携方法などを示してほしい」といった声が寄せられている。