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2011/1/12(水)
第2回公共調達適正化研究会(平成23年1月12日)
平成23年1月13日 建設通信新聞

超党派の公共調達適正化研究会
5団体に具体提案要請


法案化の必要性など判断



 超党派で公共調達のあるべき姿を探る「公共調達適正化研究会」(委員長・脇雅史参議院議員)は12日、研究会の正式発足後、初の会合を開き、日本土木工業協会など建設関係5団体からヒアリングした。脇委員長は、ヒアリング終了後、各団体に公共調達の具体的な提案・提言を示すよう求めた。研究会では、提案内容を踏まえ法案策定の必要性など今後の方向を政治判断するとみられる。 =関連記事

 脇委員長は「今回、いろいろ注文を聞いたが、契約の現場を知っているのは建設業界自身だ。こういう契約方法ができるよう法律を改正すべき、制度設計すべき、ということを、理想論で良いので、具体的に提案してほしい」とし、次回までに各団体の具体的提案を基に今後の方向性を検討する考えを示した。

 ヒアリングでは、全国建設業協会や土工協、日本道路建設業協会、日本橋梁建設協会が、総合評価落札方式で技術的な差が付きにくい状況を指摘したほか、公共事業の確保を求めた。また、建設産業専門団体連合会は建設業許可の見直しや企業規模別の規定などを訴えた。

 全建は、予定価格の上限拘束性見直しや、企業数と発注件数でバランスの取れた発注標準の設定なども求めた。競争参加者が20−30社と増加していることについても「2段階での選抜方式なども導入してほしい」とした。都道府県など自治体が一般競争入札と総合評価方式の導入を進めていることについても「総合評価方式は、議会で技術提案による逆転を説明しにくい面もある。自治体によっては、現在も指名競争入札を実施しているところがある。地域の状況に応じた入札契約制度を導入できるよう建設業行政として進めてほしい」と要望した。

 土工協は、大手の建設会社の経営も厳しいことを訴えた上で成長分野での公共事業実施を求めたほか、参加議員から希望する入札契約方式を問われ「受発注者が話し合って決定する方法として、オーストラリアで実施している『アライアンス契約』をぜひ取り入れてほしい」と要望した。研究会に対し「全面協力する」との姿勢も示した。

 道建協は、公共事業の削減以上に舗装修繕関係予算が減っている状況を訴え、国道における道路管理水準の低下を指摘した。入札契約では、「修繕時期の平準化ができ、一定レベルの性能が維持できる」として複数年包括契約による維持管理業務の発注を要請。

 橋建協は、架設工法の変更ができる技術提案や調査を含めた詳細設計付き発注、積算体系の見直しのほか、保全・補修工事を「鋼橋上部」の工種で発注するよう求めた。

 建専連は、「収入が年間200万−300万円という企業が企業と言えるのか。そういう企業が入札に参加するため、ダンピング(過度な安値受注)が収まらない。建設業許可の見直しや、売上1兆円以上の企業と200万−300万円の企業が同じ法律の枠内となっている点も見直してほしい」と訴えた。