佐藤信秋君
今のお話で、市町村から、まず最初はそれぞれ、特に道路なんかは道路の管理者が自分の障害物、動けるように、障害物を除去する、主として建設産業の皆さんの力を借りながら除去して、それを仮置場に持っていって、その仮置場から二次仮置場というか、二次処理場というんでしょうか、まで今度は市町村が主としてやると。
これ、小里副大臣が一生懸命瓦れきの処理の特措法を頑張っていただきましたけれども、あのときに、実は県で、広域処理でいろんな市町村が同じ置場に置いたりもするから、そうすると、県でそれを引き取ってね、そこから先引き取ってねと、処理を引き取ってと、こういう話も随分ありました。
一番最初にそこのネックになったのが、実は費用負担なのね、費用負担。たしか宮城県の知事が五月の中頃に読売の論壇に書いていました。市町村の能力がなかなか大変だ、そこまで手が回らないと、県もなかなか回らないけれど。だけど、一番その広域処理をやっていこうというので問題になるのが、広域の場合には、結局、負担は市町村負担が発生するから、そうすると、広域処理引き取ったのはいいけれど、どこの町とどこの市からの分を集めてあるので、それぞれ幾らずつ請求すればいいのって、これは県としてそんな請求なんかできませんよというので、そこを整理してくれというか、財政負担がないようにしてくださいというのが県が引き取る条件なんですと、こんなことを盛んにおっしゃっていました。事実そうだと思うんですよね。
それで、災害廃棄物処理の費用を、主体はともかくとして、全額国が負担する、これが一番いいと思いますが、私は、大きな災害のときは、非常災害のときは。ただ、それはその災害の程度、態様によって多少のあらかじめ決め切れない部分がありますからというのも全く分からないではないけれども、本当はそうした方がいいと思います。
本当はそうした方がいいんですが、それは財政負担の問題としてずっと考え続けていかないかぬ問題ですけれども。あらかじめ今回は、ブロック協議会というんですかね、みんなで事前に、災害が起きたらこんなふうにそれぞれで役割分担していきましょうかと、こういうやり取りを十分やっていただくというのが、元々、今度災害対策基本法で変えていただいた一つの肝の部分というか、今度の廃掃法の問題も国と都道府県や関係機関、事業体がふだんからよく連絡取り合っておく、ここが大事なところですよね、ふだんから備えると。起きてからではなかなか大変、ふだんから備える。そのときにそうした、どこからどこまではそれぞれどなたが責任持ってくださいね、ここから先はそれじゃこんなふうに、負担は最初からは明確にはできないまでも、お互いに協力し合って負担もし合ってというようなことをふだんから、ふだんの協議会からそこも含めてやっていった方がいいと思うんですね。その辺はこれからの議論だと思いますが、どんなふうに考えておられるでしょうか。
政府参考人(鎌形浩史君)
御指摘のケースは、まず都道府県が地方自治法に基づきまして事務委託を受けるという形で処理をした場合の費用の案分の仕方ということが中心になると思いますが、今回、国がまた新たに規定します代行措置という場合にも同様の問題が生ずるかと思いますが、いずれの場合でも災害廃棄物の処理責任はまず市町村にございますので、市町村が補助金相当額を控除した分、自ら負担すべき分については負担いただくということが原則になります。
それで、東日本大震災のときに宮城県が複数の市、町から事務委託を受けた際に、どの市、町にどのくらいの費用を請求すれば分からない、御指摘のような問題が生じたことは事実でございます。結果的には、処理に要した費用全体を二次仮置場への搬入重量で案分するという形で請求したという形で処理をいたしたということでございます。
今後、災害廃棄物の処理を円滑、迅速に進めるという観点からは、まず国において必要な財政上の措置を講ずるように努めていく、これが大事なことでございますが、その上で、東日本大震災で問題となった今のような点も踏まえまして、処理事業に関する手続などを明確にしていくということで、被災自治体の事務が円滑に実施できるように分かりやすく整理、周知していきたいと考えております。
あわせて、平時から地域ブロック協議会におきまして、市町村から都道府県への事務委託が行われた際に、円滑な事務手続に行えるような検討をするというような形で必要な備えが自治体で進められるように助言していきたい、このように考えているところでございます。
佐藤信秋君
というと極めてまた実務的な話になるんだけれども、本来その市町村にとって必要だったはずの費用を除いて、補助すべき額を除いて請求をして支払ってもらう。元々どのぐらい費用が掛かるかというのはなかなか難しいんですね、これ。これも別に政令、省令ではなくて事務取扱要領みたいなので決めているんですかね、どのぐらい費用が掛かるでしょう、どんなふうに見てくださいねと。
特に、一つだけ、ちょっと実務的過ぎて申し訳ないんだけど、収集費とか処理費とか実態に応じてみたいな感じになっているんだけど、運搬費だけがトラックの損料と運転手さんの日当と、こうなっている。直してくださいといって、東日本大震災のときには直してもらった。ふだんからこれは直しておいてほしいなと。
要するに、現場では交通処理も含めて、しかも何百台ものトラックが行き交うわけですから、そういう執行計画みたいなものを作らにゃいかぬね。そして、きっちりと周辺の皆様にも御迷惑を掛けないような形で実際はやっていかなきゃいけない。それには大体経費が要るんですよ。普通、今の処理基準の大体三割増しぐらい必要だろうなというのが実態なんですね。
そういうのをそのままにしておいて、単価このくらいでしょうとやったら、本来、国が、じゃ、補助金としてこのぐらいは出しますよという、そこの部分そのものが物すごい少なくなるのね。その辺は改善をするということをいろいろ勉強していただく必要があるんだと思いますが、どうでしょう。
政府参考人(鎌形浩史君)
まず、通常の扱いでございますけれども、災害廃棄物の処理に係る費用につきましては、その地域の被災状況や災害廃棄物の性状などによって異なるので、それぞれ相見積りによって適正な価格とするように市町村に周知しております。これが通常の在り方でございます。
ただ、東日本大震災におきましては膨大な災害廃棄物が広範囲に発生したということから、処理促進を図るために、それぞれの市町村が個別に見積りを取らなくても費用が積算できますように、平成二十三年五月に事務連絡を発出して、廃棄物処理費の算定基準、これを市町村にお示しいたしました。具体的には、可能な限り被災地の処理工程に沿った項目ごとに、一般的な建設工事における単価や算出式をまずお示ししたという対応を取ったところでございます。
また一方、算定基準を示すことはなかなか難しい、そういう業務につきましては、交付する補助金の額の算定時に被災地の処理現場の実態を踏まえた適切な額となるように努めたと、これが東日本大震災で行ってきたことでございます。
今後でございますけれども、こうした東日本大震災の教訓も踏まえまして、大規模災害であっても現場の実態を踏まえた適正かつ公正な処理単価となるよう、私どもとしても十分留意してまいりたいと考えてございます。
佐藤信秋君
というので、大臣、これ本当は差額が出ないようにというか、国が負担しますよというところまで踏み込むのが一番いいとは思うんですが、それはさっき申し上げたようにケース・バイ・ケースでいろいろやっていくというのも必要だとは思います。そういう意味で、今回の法律、それでよろしいと思います。
国が代行する、しかし、国が代行するその本来市町村がやった場合の出る補助の分との差額は、まずは一旦は市町村に、ここもできるだけ少なくなるようにしてやっていただきたいと思いますし、それから、一つ一つ、これ広域災害になりますと、特に救助法なんかの場合そうですけど、避難をしてもらう県というか受入れ県、受入れ県とそれから避難をした県との間で請求書のやり取りなんかやってくださいということになってはいるんですね。あれは変えていただいたのかどうかなんですよね。
大きな災害ですと、東日本なんかのときには、今でもそうですけど、当該被災県以外の四十六、自分の県も入れれば四十七、全部受入れ県になるんですね、全部受入れ県。受入れ県で避難を受け入れるのにどのぐらい掛かりましたよと、こんな整理をして、そして被災した県に請求するのね、あれ、知事に、受入れ県の知事がまとめて。それで、それをまた、当時は厚労省だっけかな、救助法の担当部局に出すと、それでまたいいの悪いのと、こういう議論で。被災しているときにはそんなとても、普通の事務手続でも大変なのに、そんなところでとてもやっていられない。
それは改善していただいたんでしょうか。その辺、実態どうなっていますか。
政府参考人(兵谷芳康君)
お答えいたします。
災害救助法では、救助に要する費用は救助の行われた地の都道府県、いわゆる被災された地の都道府県が支弁をすると、こうなっておりますので、被災した都道府県の要請を受けて応援を行いました都道府県については、その応援に要した費用を被災した都道府県に求償することができると、こうなっております。
これは、救助の主体はあくまでも被災した都道府県でございますので、その要請に基づく救助が的確に行われているかどうかということを把握するためにもそういった原則となっているところでございますが、今御指摘いただきましたように、東日本大震災のような広域かつ大規模な災害では、被災した都道府県自体がそうした業務に応えられない、対応できないということも考えられるために、平成二十五年に災害救助法を改正いたしまして、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合は、国が被災都道府県に代わりまして救助に要した費用を応援都道府県等に弁済することができるとされたところでございます。
したがいまして、そうした大規模な非常災害が発生した場合には、今後、災対法の改正規定も踏まえまして、応急救助が迅速かつ的確に実施され、それに伴う被災都道府県の事務負担も増大しないように、適切に対応してまいりたいと考えております。
佐藤信秋君
ここから、今度はまた廃掃法の運用の要望になるんですけれども。
さっき、どういう主体がどんな役割分担で、市町村が十分できなければ県が事務委任する、そして今回入れていただいた、国が要請を受けて、広域的でどうしても必要という場合には国が受ける、その場合あらかじめ役割分担決めておいてくださいねというふうにお願い申し上げましたが、今のような費用のやり取りといいますか、ということも含めて、実務的にはスムーズにいくように是非お願いしたいなと思いますが。これは質問に入れていなかったけれども、鎌形さんの顔を見ながら、ちょっとお願いしたいと思って。
政府参考人(鎌形浩史君)
最終的な負担は、市町村なり、補助金を除いた額を御負担いただくという構造は変わらないと思いますけれども、実務的に、実際のお金の流れをどういうふうにしていくかということにつきましてはよくよく考えてまいりたいというふうに思います。
佐藤信秋君
ということで、切れ目のないような、全体のスムーズな円滑処理を是非お願いしたいと思うんですが。
大臣、非常災害が起きたら災害廃棄物の基本的な指針といいますか処理指針を作ると、こうなっていますよね。これ、ふだんから基本的な方針をいろいろ検討していただいて、みんなで、国も関係機関もやるということが、ふだんの準備が一番大事だと思うんですが、いざ災害が発生したら、それについての基本的な処理指針を作ると。これ、速やかに作らないと、はてさて、季節にもよれば地域にもよっていろいろありますね。できるだけ早く、気持ちとしてはもう一日も早くと、こういう思いでいますが、大臣の御決意をお伺いします。
国務大臣(望月義夫君)
御指摘のとおり、大規模災害時における現場における、これは円滑、迅速にということ、これはもうそのことはしっかりと確保していかなくてはならないと思いますが、発災後、できる限り早急に災害廃棄物の処理の基本的な方針をやはり国が示していかなくてはいけない、このように思います。
そのために、今回の法案で災害対策基本法を改正することとして、大規模な災害が発生し、その災害を政令で指定したときには、環境大臣がその災害により発生した廃棄物について基本的な処理指針を定める、これはマスタープランということになりますけれども、この法律に明確に位置付けるということにさせていただきました。
そして、この処理指針をできる限り早急に作成するように、やはり今先生が御指摘ございました、平時から、ふだんから指針として示すべき事項の整理及び継続的な見直しをしていかなくてはいけないと思っております。そしてまた、最近のテクノロジーでいきますと、衛星写真、こういったものを通して、災害廃棄物の量の推計の手段、それからまた検討、確保などを行うこととしております。
これらの備えによって、東日本大震災においては発災から二か月以上、これ、なかなかやっぱり、一般的に言えば時間がそれぐらい掛かるのかもしれませんけれども、これでは遅過ぎるという御指摘もございますので、当面少なくともその半分以下の一か月以内に何とか万全を尽くして作っていきたいなと、このように思いますが、先生御指摘のように、一日も早くということ、一応一か月以内にということでございますが、これが一日でもそれが縮まって二週間なりなんなりでできるように最大限の努力をしていきたいなと、こんなふうに思っております。
佐藤信秋君
大臣の御決意を伺ったので、是非よろしくということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
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