本日の会議に付した案件 |
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案
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委員長(島尻安伊子君)
ただいまから環境委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長(島尻安伊子君)
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委員長(島尻安伊子君)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
佐藤信秋君
自由民主党の佐藤信秋でございます。
いい法律を出していただいてありがとうございます。法律の内容もさることながら、私の方はいろいろ、主として御要望になるかもしれませんけれども、実務的な面で幾つか念押しをさせていただいたり、運用をしっかりやっていただくように、そんな御要望を主としてやりたいと思います。
五十年前でしたけど、私、新潟地震というのがありまして、そのときに避難民になりまして、その頃から比べると、随分と災害の救助なり復旧なり障害物の除去なり復興なりという形が大分整ってきたかなと、そんな思いもいたしますが、直さにゃいかぬものがまだまだたくさんある。今回は、災害廃棄物処理と基本法の一部を変えていただいて、できるだけ切れ目のないような形でやっていこうという御趣旨がよく分かりました。
そこでなんですね、最初に、災害が起きましたらば、災害救助から、避難、救援、救助から始まりますね。とにかく何とか大事な命をお助けするというか、それから資産をちゃんと保全する。そういう意味で、災害救助法が内閣府の方に移ったものですから、せっかくおいでいただいて、まずその順番でちょっと伺おうかなと思います。
最初に、通常の災害が発生しますと、大体市町村が主としてですよね、避難の指示やら準備やら警戒警報やら、通常の災害が起きたときの主体といいますか、それから予算の手当てとか、その辺の説明を最初にお願いしたいと思います。
政府参考人(兵谷芳康君)
お答えいたします。
通常の災害の場合は、災害対策基本法に基づきまして、住民に最も身近な基礎的な地方公共団体である市町村が住民の生命、身体、財産を保護することとされておりまして、市町村がその避難所の設置等の災害応急対策をまず行います。
また同時に、それに要する費用につきましては、同じく災対法に基づきまして、実施主体である市町村が負担をすることとなっております。
佐藤信秋君
その場合に、市町村が負担するその負担の一部分というか、そこは地財措置なんかあるんでしたかね。
政府参考人(兵谷芳康君)
お答えいたします。
市町村が負担した部分につきましては、基本的に地方財政措置がなされている、あるいは特別の場合は特別交付税措置と、そういったものが対応されると思います。
佐藤信秋君
それで、今回議題になる非常災害なんかのときですね、非常災害なんかのとき、まあ大体一緒になるかなと思いますが、もうちょっと救助法の方は発動が多いかもしれませんけど、災害救助法の発動といいますか、それを適用するときはどうなるのかと、次に教えてください。
政府参考人(兵谷芳康君)
お答えいたします。
住家、住宅ですけれども、住家の被害が一定以上となる場合、あるいは多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じた場合で継続的な救助が必要な場合等におきましては、都道府県知事が市町村の区域ごとに災害救助法を適用いたしまして、その実施主体として応急救助を行うこととされております。この場合におきましても、応急救助に係る事務の一部は都道府県知事は市町村長に委任することが可能でございます。
災害救助法を適用した場合の応急救助に要する費用につきましては国と都道府県が負担する仕組みとなっておりまして、この場合は市町村の負担はございません。
佐藤信秋君
その辺の手順といいますか、どういう災害が起きたらどこまで基礎自治体がやり、いや、それではどうしても不十分だ、それなら都道府県が成り代わりといいますか、事務や費用を負担してでも広域的な災害に対応すると。大体、その場合には国が、また財政面もそうですけど、自衛隊の要請なり、広域的には消防、警察、あるいは国の出先機関、地方整備局などがテックフォースや何かを使ったりしながら災害に当たると、こういう仕組みですわね。今回、災害廃棄物の処理についてもそうした手順ができてきたというか用意していただく、ここが大事なところだと私は思うんですよね。そこが大事なところだと思っています。
ただ、せっかくの機会なんでこれは要望ですけど、大きな災害ですと医療、衣料品、それから燃料、食料、まず救援物資なんかをすぐ送ってやらないけませんわね。その場合に、実は、救助法の今の建前からいきますと、都道府県知事がまず負担をしますからと、ここから始まるんですね、財政的には。そうすると、その要請を待って救援物資をお届けしたり、あるいは負担金も後でくださいねと、こうなるんですね。そこのところは東日本大震災の場合には三百億ちょっと、まず予備費使って救援物資等を出した。足りませんでしたね。
だから、大きな災害のときに必ず一定額以上といいますか、必要なまず当座の物資等については、すぐに国が責任持つから、国が一〇〇%持つからということに切り替えてやらなきゃだと思います。これは恒常的な法律にしておくのが一番いいんですが、私も何度もやりましたけど、なかなか被害の態様等によっていろいろありますよと、それからそれぞれの財政状況もありますと、こういうことで恒久的な救助法の改正までにはいっていませんけど、政府としてそこのところをずっといろんな方法論を更に勉強、検討していただいておきたいと思います。
そこでなんですね、災害救助法の制度、今の話で、じゃちょっとだけ、現地の様子見ながら、災害が起きたときに、災害の救助です、もちろん避難してください、いろんな障害物を片付けましょうというんですが、これ住宅、住宅の被害が多いときに災害救助法、住宅というか、大体激甚災になりますわね。そのときに、救助法の中でもなかなか余りお分かりいただいていないというか、これ処理基準か何かで決めているわけでしょうけれども、住宅の中にいろんな障害物が、土石とか竹木、土石が大体たまりますわね。それを一生懸命除去しようというので、個人の努力でやれるときはいいんだけど、これはなかなかできませんわね、被害に遭っている人たちが。しかも、お年寄りが多くなってきていますからね。そうすると、ボランティアの皆様お願いしますといってしばらく待つと。一か月、二か月待つことが多いですわね。待ってもなかなかできないと。
これは、今の救助法、昔、処理基準を改正して、住宅、居住地内のそういう障害物といいますか土石みたいなたまったものは排除していいですよと、救助法の範囲で、そういう処理基準にしていると思うんですが、これが実は余り分かっていないので、市町村長も行政の方も。それから、もちろん被害に遭われている方たちはそういう仕組み自体が分かっていませんからね。これはふだんから十分広報しておかないと、起きてからでは時間がたつばっかりだと思いますね、二か月、三か月。その辺の広報努力というのをちゃんとしておかないかぬと思いますが、そこのところをよろしくお願いします。
政府参考人(兵谷芳康君)
お答えいたします。
災害が発生いたしますと、災害救助法が適用された場合、国としては、すぐに都道府県と一緒になりまして災害救助法を適用した市町村に出向きまして、救助法の救助内容あるいは留意点などの説明を行っております。
その中には、今委員御指摘がございましたような障害物の除去を始めといたしまして被災者が利用可能な制度の周知を図るなど、都道府県及び市町村において被災者に対する応急救助が適切に行われるよう助言等を行っているところでございます。
ほかにも、国では毎年、各都道府県あるいは政令市の災害救助法の担当者を集めた全国会議を行っておりまして、救助内容等についての説明を行っているところでございます。
今後も、自治体が適切な応急救助が実施できますよう、このような全国会議あるいは現地での説明会などを通じまして災害救助法の実務の周知をしっかりと図ってまいります。
佐藤信秋君
実は起きてからでは遅いと、起きてからではね。
それと、処理基準、あれ課長通知か何かですよね。だから、そこを弾力的に本当はやりますと、それぞれの様子見ながらというのも必要だと思うんですよね。処理基準で見ると、避難場所、一週間だっけ。それで、仮設の住宅が二年間と、こういうので、仮設の住宅二年間で出れるような災害、備えはね。そこは弾力運用で変えているということではあるけれど、最初からある程度、今に合わせて、現代に合わせて変えておくということもまた必要でしょうと思いますけれどもね。これはまあ御要望にしておきますけれども、よく検討していただきたいと思います。
そこで、今回の、次に、復旧や何かいろいろ必要になるわけですけれど、それぞれ個別の管理者は自分のところを一生懸命片付けようとするでしょうし、そこの手順というのが、じゃ、それを仮置場に持っていってと、こうなるわけだけれど、その辺の災害廃棄物の処理の工程で、誰がどこまで持っていって、それをまた誰が処理していくのか、この辺、基本的な整理を教えてください。
政府参考人(鎌形浩史君)
災害時に発生しました廃棄物の扱いでございますが、まず、私有地で撤去された瓦れきなどがその周辺住民の判断で自然発生的に一定の場所に集積されるような場合、また、廃棄物を一時的に仮置きするための場所、これを市町村により臨時で設営、管理していく、こういったいわゆる仮置場ということでございますが、そういったものの態様がございます。
それで、それぞれ現場によって対応が異なってくる場合があるわけでございますが、小規模の災害では、一定の場所に災害廃棄物がある程度まとまった量で集積された場合に、市町村がそれを収集するところから廃棄物処理法に基づきましてその市町村自らの事務としてこれを行うというのが通例でございます。これらの一定の場所に集積するまでの瓦れきの撤去は、その瓦れきが発生した土地の所有者がこれを行うのが一般的となってございます。
なお、東日本大震災のときは、災害廃棄物のあったものについては市町村が一次仮置場まで運搬をする、そして、二次仮置場以降の処理については市町村から事務委託を受けた県が実施すると、こういう事例が多くございました。
いずれにいたしましても、環境省としては、大規模災害に備えて、平時から地域ブロック協議会の場などを活用して、地域の関係者が実効性の高い協力体制を構築していくように促してまいりたいと思っております。
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