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180回国会 国土交通委員会 議事録(2)
2012年3月22日(木)
 

佐藤信秋君

というので、今のは皆さんも大分御納得いただけているんじゃないかと思いますが、四階建てにしようかという話、どうやって整理するかって、これ無理です。

そこで、大臣には聞きません、もう、次の議論に移ります。

さっきのような、建設産業こんなふうに苦労して活躍しているとか、いろんな広報がなかなかこれできていません。ですから、広報を努めるということと、それと、結局まあこういう3Kとか4Kとか言われる仕事なんですけれども、誇りを持ってふるさとを守っているという人たちに、やっぱりこれだけ活躍してくれている、あるいは大臣自らが表彰しますよというようなことも必要になるんじゃないかなと。国の栄典制度といいますか、褒賞制度にもちろん乗っけていただくことが一番大事です。

その前に、これだけ頑張っているという皆様に大臣からの表彰も、あるいは広報を積極的にやっていただく、ここの部分を是非しっかりとやっていただきたいと思うんですが、最初に官房の広報の方からですか、きちっとやるということをお願いします。

政府参考人(本田勝君)

お答え申し上げます。

まず、広報ということでございますが、先ほど来お話の出ておりますテックフォースを始めとする地方組織の活動、あるいは大変危険な現場で実際の復旧工事を担う建設業界の方々の献身的な活動、今までもいろいろ取り上げられておりますけれども、これを広く報道してまいることは、私どもの行政に対する国民の方々の理解が深まるだけでなく、現場の職員あるいは建設事業に携わる方々の士気を高める上でも非常に意義深いと考えておりまして、積極的に取り組ませていただきたいと考えております。

また、表彰というお話が出ました。これまでも阪神・淡路大震災、あるいは新潟の中越地震等の災害復旧に取り組み、顕著な功績を上げられた方々を表彰させてまいりましたが、東日本大震災の復旧に尽力された方々に対しましても、既に東北地方整備局長を始めとする部局長が表彰を行っております。

今後、国土交通大臣の表彰といったことも、これを実施する方向で検討させていただきたいと、かように考えております。

佐藤信秋君

ということで、大臣、できるだけ多くの皆様を大臣の方で表彰いただきたいと思いますが、選び方はいろいろあるかと思いますし、もちろんそこは大臣がこういうふうにしたらいいなと思うようなやり方でおやりいただければと思いますが、いかがでしょう。

国務大臣(前田武志君)

佐藤委員と、今官房長のやり取りをお聞きしながら、やはり地域に根差した良質な、復旧等にも活躍された、こういった方々の表彰というのは非常に意義深いことだなということを感じました。是非そういった面で対応をさせていただきます。

佐藤信秋君

そこで、次の議論に移ります。

大臣所信の中で経済の活性化ということもおっしゃっておられます。資料三、残念ながらというんでしょうか、公共投資の推移を載せさせていただきました。二十一年度当初、公共投資七・一兆円、これが二十四年度当初案では四・六兆円になって、一括交付金を足しても五・四兆と。一括交付金というのは、性格上、公共投資としてどれだけ評価し得るかという面ももちろんあろうかと思います。

ただ、世界的に見ますと、実はここから先のデータがなくて、できるだけ早く、また手に入ったら、二十二年度、二十三年度の見込みというのもいただきたいなと思いながら、資料の四でありまして、公共投資水準の国際比較。

どこの国も、この十何年かでいえば、右側の欄ですけれども、三倍になったり二倍になったりという、こういう状況の中で日本だけ半分以下と。日本の場合には、災害がこれだけあって、しかもネットワークが、先ほども御議論ありましたけれども、ミッシングリンク、あるいは治水、利水、ダム、堤防、いずれにしてもまだまだ足腰の弱いという中でこれだけ公共投資を削ってきてしまった。

こういう状況の中では二つあって、デフレをどうやって脱却していくんでしょうかねと、全国のデフレ対策どうしましょう。それから、これだけ切っていくと防災対策というのは本当にできるんでしょうかねと、こういう議論が大変気になります。

まず、デフレの脱却というのはどんな道筋をかこうとしているのか、これは内閣府の方で考えていることを一言、御説明ください。

政府参考人(梅溪健児君)

お答え申し上げます。

デフレ脱却に向けましては、民間部門の我が国経済に対する成長期待あるいは物価上昇期待を高めるとともに、需要創出を通じまして需給ギャップの縮小を行っていく努力が重要と考えております。

この需給ギャップの縮小に向けましては、現在政府は、累次の補正予算の迅速かつ着実な実行に努めております。まずは大震災からの復興に全力で取り組んでいるところでございます。さらに、住宅エコポイントの再開や、国内企業立地補助金、エコカー補助金の再導入といった民間需要の押し上げに資する施策を実施いたしております。また、二十四年度予算には、成長戦略の実現、日本再生に資する事業を盛り込んだところであり、これを着実に実施し、成長期待の改善につなげてまいりたいと考えております。

政府といたしましては、長引くデフレを克服するため、金融政策を行う日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目のない経済財政運営を行ってまいるところでございます。

佐藤信秋君

余り中身のない議論をしていてもちょっとしようがないかなという気がせぬでもありませんね。金融政策と言いながら、それはもう金利実質ゼロの中で、貨幣の供給も増やさずにという状況の中で、あなた頼りみたいなことをおっしゃっているように思います。いろんなモデル見ても、このままじゃ経済の活性化というのはできないんじゃないかと。幾つかのモデルを駆使しておっしゃっておられる先生方、おおむねはこのままじゃ難しかろうと、こういう議論であります。

という状況の中で、全国の防災対策、全国防災というのを入れてはいただきましたが、額が少な過ぎます。青森の知事が一生懸命、孤立集落を救おうと思うと、青森だけでも三百、四百か所ありますよと。そういうのを今救っておかないとというんで、大急ぎで全国防災公共というようなことをやらないと間に合いませんよということを盛んにおっしゃっていましたね。これは全くそのとおりだと思います。全県、三百、四百の孤立地域集落、これは、ミッシングリンクはもちろんですけれど、小まめな防災対策ということも必要なんですね。やろうとすると、一県当たり大体何百億単位というのが必要になってくると思います。精査はしなきゃいけません。

そういう意味で、政務官、まさしく全く同じお考えをお持ちかなと思いながら、伺います。

大臣政務官(津島恭一君)

今委員の方から全国防災対策、費用は本当に大丈夫かと、こういう御質問をいただいたわけでありますが、政府全体の公共事業の予算につきましては近年削減が続いているのは先ほど資料のとおりでもあると思います。御指摘のとおり、災害への対応力の高い強靱な国土基盤の構築を始めとする、東日本大震災の教訓を踏まえまして、全国防災対策を推進し、国民生活の安全、安心の確保を図るなど、真に必要な社会資本整備を着実に推進していく必要があるということは同じ認識だと思っております。

国土交通関係の要望予算、全国防災における公共事業予算につきましては、実は合計四兆千六百三十九億円、対前年比になりますと、この険しい財政状況の中、ほぼ前年並みの予算を確保しているということは申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤信秋君

ですから、平成二十一年に比べるともう二兆以上下がっているんですよ。そこを回復しようとすると、自民党の場合には全国防災で三兆円ぐらい、全体の予算の中でやりくりしながら三兆円ぐらいの全国防災をこの政府の案に足すべきだろう、こういう提案を申し上げています。

そこで、資料の五は、実は私、去年の三月の十五日に質問申し上げようと思って用意していた資料でありました。太平洋側が非常に地震の危険性が高いですねと。実は、この質問の資料を出して、その前に、十一日に、出した後でしたけれども、地震があってと、大震災があってと、まさしくそういうことでありました。ただ、この場合にも、元々予測されていたのは宮城県沖で七・五、オーダーが大分違うんですね。ここで、今まで予測されていたものとはちょっと違うんですよと、こういうような説明でもあったかと思います。

そういう意味では、実は首都直下、それから東海、東南海、南海、これは新しいデータによってももっと範囲が広くなるんじゃないかとかといろんな議論があります。したがって、太平洋側は防災対策を、直接的防災対策というのを強化しておかないといけない。ミッシングリンクあるいは津波に対しての防護、移転、あるいは高台移転も必要なんだと思います。

という中で、一方で、万一の場合には今度はそれを応援、救急応援する拠点が一方で必要になるんですね。これは、東日本大震災のときには日本海側、新潟であったり秋田であったり青森であったり、それぞれ日本海側から太平洋側に、船、鉄道を含めて拠点化して支援ができた。

そういう意味で言うと、大臣、これから十年ぐらいの間は強くてしなやかな国土づくり。直接的な地震のおそれのあるところはもちろん震災対策を大急ぎでやらにゃいけませんが、一方で救援拠点、救急拠点、これは情報も含めてですが、それからいろんな、言ってみれば政府の機能の代替えといいますか、場所というようなことも含めてしなやかな強い国土、ソフトもハードも含めて、これがどうしても必要で、やっぱり私どもは、私なんかは十年ぐらいは緊急期間として長期的なグランドデザインかきながらやっていかなきゃいかぬのじゃないかと、こんなふうに思いますが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(前田武志君)

佐藤委員の今までの御議論の中、強くしなやかな国土づくりということについては思いを共有いたします。

震災の教訓というのは、先ほども御指摘したように、社会資本整備審議会でもこの災害の東日本大震災を検証し、反省をし、その中から教訓として命第一、そして災害に想定外だとかいうようなことではいけませんよと。とにかく命を第一にして、しなやかにハード、ソフトを組み合わせてと、こういうことでございました。そういった意味で、真に必要な社会資本整備を徹底的に進めていくことに尽きると思います。多重性、リダンダンシーであったりあるいはミッシングリンクであったり、もう御指摘のとおりだと思います。

私は、それに加えて、持続可能性というわけなんですが、やはり大きく人口構造なんかも中心に地域の構造が変化していくわけですから、お互いに支え合ってという公助、共助、自助、それが東北においてはああやって発揮されたわけですが、この大きな変化の時代に、構造変化の時代にそれが本当に持続可能であるかどうかということが心配であります。

という意味では、やはりまちづくりという面においても、もっともっとコンパクトに機能も集中し、何とかそこで津波が来ても助かるというようなことが必要でしょうし、そしてまちづくりということになれば自分たちの住居、こういった居住系のところについては低炭素で、結果エネルギー代が安くなるだとか、耐震をやって非常に安全になっただとか、これは保険代も安くなっただとか、むしろ個人の投資というものが生かされてプラスになるというようなことも踏まえてこれから先の公共事業を考えていく必要があるということになってくると、このまま行くと地域の経済が御指摘のようにどんどん疲弊する、したがって、むしろ社会資本整備と地域の経済が連携して、民間のそういう経営力なんかも取り入れて、そこに個人もどんどん投資をすれば得になるというような、そういう体制というものができないかということを常に考えておりまして、そういう意味での政策官チームも発足させたところでございます。

佐藤信秋君

そういう意味で、残念ながら日本は災害の多い国ですから、その災害に対する備えという意味で、防災で国を立てていくというような観点もまた必要かなと勝手に私は思っていまして、中国で、実は、中国の参議院に相当するんでしょうかね、二年前にいろいろ議論していたときに、日本の防災技術をいろいろ教えていただきたいと、更にODAもと、こういうようなお話もありました。ODAはちょっともうこれ以上はなかなか。ただ、防災技術をいろいろ教えていただきたいというのは、これはまた真実でありますし、そういう意味で、日本からの輸出の、ある意味世界への協力という面からいっても、自ら防災をしっかりと高めながら外国にもいろんな応援をすると、こんな体制も整えていただきたいと思います。

済みません、大臣、時間がなくなったものですから。

それで、実はちょっと世の中に誤解が多少生じている部分を直していただきたいというのをこれから二つ申し上げます。

災害査定。災害査定をすると、その箇所が一か所例えば五千万でした、これ五千万で発注せないかぬと、こういうふうに誤解したりしています。隣の箇所が一億円、一緒にして一億五千万、あるいは査定額が一億五千万でも、全体の中でそれが一億二千万になるか二億になるか、全体の災害という中で運用していいんですよね。そして、三年後か五年後か精算するんですよね。そこの部分が相変わらず誤解されているところがあります。

これ、ひとつそうではありませんということだけを、水局長、世の中の皆様に御説明ください。

政府参考人(関克己君)

お答えを申し上げます。

御指摘のように、災害査定の単位と実際に各自治体が復旧として発注をされていくところには関係がございませんので、足し算あるいは分けることも可能でございます。そういう意味では、まさに自治体がどのようにお考えになって発注していくかということに尽きるというふうに考えてございます。

そういう意味では、先生御指摘のように、まだ十分御理解いただいていない部分、あるいは簡素化、あるいは実際に災害査定の前でも着手できるというようなこともなかなか御理解いただいていない部分は正直言ってございます。こういったものも広く御理解いただきスムーズに進めるよう、私どもとしても全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

佐藤信秋君

実は、資料六で出させていただいて、いや、この資料で説明するから世の中は誤解しているのかなと、実はそう思っています。これ一か所を前提にして精算までと、こうなるから、ちょっとこれ分かりやすく資料を変えてというか、今の説明が分かるような、利用できるんですよ、多年度にわたってやれるんですよというようなことを説明、もうちょっと分かりやすく資料にしていただければ有り難い。

あと政務官ですかね、防災集団移転促進と県営公営住宅、これ資料七で、実は一緒にしてくださいというので、前田大臣になられてから一緒にしていただいたと思います、同時にできるように。

これは、二十三年度補正で付けた分は、二十四年度は繰り越して二十五年度は事故繰りになるんでしょうか、それとも基金のように三年とか四年の間に補正の予算の分を充当していけばいいというか、課税させていけばいいということか、どっちなんでしょう。

大臣政務官(津島恭一君)

今の委員の御質問は、三次補正の予算がその後どうなるのかなと、こういうお話であったと思いますが、復興交付金につきましては、財政法の第十四条の三の規定に基づき繰越しが可能となっております。さらに、事業進捗に応じた機動的な執行を可能とするため、被災市町村等において基金を造成し、事業計画の計画期間内にこれを取り崩して事業等を実施することも可能であるというふうに承知をしております。

佐藤信秋君

ということで、大変、割と弾力的に使えるんですよね。現地では、いやいや、二十四年度繰越しでやれても、二十五年度、さあどうするんだろうとか混乱が生じていますので、これもきちっとした分かりやすい説明を市町村長や執行する人たちに教えてあげていただきたいと思います。ちょっと混乱しています。

以下は、時間もなくなりました、要望であります。

三陸の鉄道復旧とか只見線の復旧、これはJRの話、JR東の話でしょうが、是非、国交の方からもきちっとやってくださいということをお願いを要請をしていただきたいと思います。

それから、地盤の液状化対策と、こういうことを考えますと、実は地質とか地盤の情報の基本法みたいなものを作って、地質情報を一か所に集めるといいますか、一つのマップの中に落とし込むような作業というのが必要なんじゃないかな、液状化を考えますと。これは、地盤のデータはいろんなところで持っています。産総研であったり、もちろん国交であったり、それから住宅を建てる民間の会社であったり、そういう情報をマップの中に一か所に落とし込みましょうというようなことが必要になっているんじゃないかなと思いますので、これはまた別途の機会でやらせていただきたいと思います。

それから、豪雪災害、これは要望ですが、先ほど来、交付金の話がありました。社会資本総合整備交付金の中で、積雪寒冷特別地域の道路交通確保に関する法律の義務、義務といいますか、やらなきゃいけませんと、こうなっているんですが、三分の二の補助でした。社会資本整備交付金の中で取りましょうと、こうなるものですから、枠の中で大雪になっても取れません、大雪になっても。最後の方でないと出てきませんから。ですから、県道、国道の県の関係の補助事業と、それから市町村道の臨時の除雪費をちょっと別途に取っていただくようにお願いしたいと思います。交付金の中では無理です、これ以上のものは。随分今年も大雪ですから、是非これは要望しておきたいと思います。

最後、これも要望です。不調不落問題が大変現地で多くなっています、被災地で。一時四割ぐらい、四割超していました。参加者がいないとか契約が落ちない。ですから、これは別途に議論はさせていただいていますが、予定価格の上限拘束というのを、この場合、ある範囲ならいいよというようなことも含めてやっていかないと、どうも大震災の被災地、これは水害の方もそうかもしれません、間に合わなくなってきつつあるんで、この辺はまたもう一度改めて整理しながら議論をさせていただきたいと思います。

時間が参りましたので、私の質問、ここで終わります。ありがとうございました。