政府参考人(伊藤哲夫君)
災害廃棄物の処理事業につきましては、基本的には市町村が行うということでございますけれども、今回、市町村がそういったことができないという場合には地方自治法に基づきまして県に委任ができると、こういうふうなことで、相当委任も現に行われているところでございます。
実際におきましては、被災各県に環境省の方でお願いして災害廃棄物処理対策協議会というのを設けております。これは県が中心になりますけれども、市町村、それから国の地方支分部局、それから関係業界も入っていただきますけれども、そういったところで、実際どういうふうな格好でやっていくのが一番スムーズにいくかと、こういったことで協議を行っていただき具体的に決めていくと。それから、国レベルにおきましても、私の方と清水局長の方で十分連携を取りながらやっていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
国務大臣(松本龍君)
瓦れきの処理につきましては、四月のもう初めぐらいからチームを組みまして、今言われましたように、ここは都道府県、ここは市町村、ここは国土交通、ここは農林省ということがあってはいけないということで、とにかく縦割り行政の弊害をなくすようにどんどんどんどん出張っていって、海はどこだ、漁港はどこだとかいうことはしっかりやっていただきたい。そして、そこにすき間ができることが一番駄目なわけですから、それぞれ国交省、厚生労働省、あるいは農林水産省、そして環境省等とチームを組んですき間のないようにという指示は出しております。
佐藤信秋君
ということを具体的に、関係各省集まって防災大臣の調整をいただいて決めないと、実はこういう話もあるんですよ。市町村で、一〇〇%国費で面倒見てもらえるから、それじゃ市町村にお願いしようかと。受ける市町村大変、これ。分かるでしょう、さっきの交付税。特別交付税、全部裏付けてくれるのならいいんですが、当面自分で起債して借金せないかぬ。それで一〇〇%見ますよと言われても、じゃ全部私の方でやりますからとなりません。ならない。これは分かりますね。無理なんですよ。で、今言っているだけになっているわけ。
公物管理の方もそう。公物管理の方も市町村が全部やってくださる。だから、仮置場ではともかく、そこから先の処分は市町村の方でお願いしようか、あるいは県でお願いしようかということになっていくと、これは市町村の負担は大変なんですよ。だって、今まだ最終処分の予算じゃないですよね、一次補正予算は。仮置きの予算ぐらいでしょう。しかも、それでこれだけの地方負担が出るんです。総務省は、ちゃんと手当てはしますと言いながら、ほとんど手当てができないというか、特別交付税でですよ、できない。こういう状況の中で借金だけは、起債だけは取らないかぬと、こうなりますから、今大臣のおっしゃっている、それぞれが出張っていって、ぶつかったところで調整という形になかなかならない。
市町村長大変ですよ、これ。道路の瓦れきだったり河川の瓦れきだったり農地の瓦れきだったりというのを全部市町村長、一〇〇%国費で面倒見るんですから財政の方はやってくださいね、財政負担はやってくださいね、で、実態行為としては、実行行為としては県に委任してもいいんですよと、こう言っても、そんなに余力のある市町村なんかないんですから、ただでさえ。
そこはきっちりとそれぞれ事情に応じてちゃんと、こんな負担でいきましょうねと、県と市町村や公物管理の世界とですね、というのを少し議論してもらわないと、進まない原因の一つになります。これは是非お願いしておきたいんですね。公物管理の方も頼みますね。市町村長が全部やってくださるから、私らここから先、最終処分の方はお願いしますというわけにいかないということをよくテークノートしておいていただきたいと思います。
それで、そうはいっても、瓦れき処理は、緊急避難的に現在やっている分、それこそ仮置場に取りあえず持っていく、これは緊急避難で大急ぎでやりましょうと、ここから先で最終処分も含めて考えていかなきゃいけない、まさしくそうなんですね。そのときに、おおむねの標準的な単価はどのぐらいですかというのはありますかね。
政府参考人(伊藤哲夫君)
先般、環境省の方から、この瓦れき処理についてのおおむねの参考とすべき単価につきましては、様々な各所で定めたものもございます。そういったものについては通知をしたところでございます。
佐藤信秋君
その通知、トン当たりですかね、中越のとき三万三千円。これは最終処分も含めての話でしょうか。
政府参考人(伊藤哲夫君)
最終処分まで含めて参考となるような単価はいろいろ、ただ、その中には世の中に今回の処理で参考となるようなものがないものもございますので、そういったものについてはきちっと見積りを取るとか、そういったことが必要だと、こういったことも含めて通知をしたところでございます。
佐藤信秋君
何せ緊急処理ですから大急ぎでやっているんで、別に契約もせずにとにかく走れといってやっているというのが今の多くの実態ですよね。それで、環境省の方から公正に競争してちゃんと入札しなさいと、こういうのが出ていますけど、それは緊急避難じゃなくて最終処分に至る、一次処分場ぐらいは終わって最終処分に至るその経緯だと理解していいんですね。
政府参考人(伊藤哲夫君)
御指摘のとおりでございまして、緊急の必要により競争入札に付することができないと、こういった場合は当然あり得るわけでございまして、そういったものにつきましても、そういった場合には随意契約をすることは可能だと。その場合におきましても公平性、透明性の確保の措置を講ずるということは一方で必要であるとは思いますけれども、地方自治法等でも緊急の場合は随意契約が可能だというふうになっておりますので、そういった取扱いかというふうに考えております。
佐藤信秋君
今はまだみんな緊急で、とにかくやってくれという、その要請に基づいて現場では動いている段階のところが多いので、それを今度入札でやってくださいと急に言われたかのように受け止めて、いや困ったなというところもあるので、その辺の応用動作の方は、緊急とそれからしっかりした最終処分に至る経緯と分けて指導していただきたいと思います。これはそれぞれお願いしておきたいと思います。
瓦れき処分、最終処分場、さっきも議論ありましたけど、焼却場なんかも本設でいいんですか、仮設でなきゃ駄目なんですか、どっちでしょう。
政府参考人(伊藤哲夫君)
災害廃棄物の処理につきましては、例えば委託をしてやると、こういった場合につきましては、費用対効果が優れていれば、仮設の処理施設やあるいは最終処分場の設置を含んだ処理費用についても当然国庫補助の対象となると、こういうふうに考えております。
佐藤信秋君
分かりました。じゃ、最終処分場、新設でもそれが効果が高ければいいと、こう理解してよろしいんですね。念押しだけですから、時間も何なので。
次に、原子力損害賠償法に行きます。
この損害賠償の原則は原賠法に基づいてと、こういうことですが、地震、津波は損害保険が出ませんね、地震、津波は。一応、天災地変だと全部国がやらなきゃいけませんと。地震、津波の場合には原子力損害賠償補償契約で一事業所当たり千二百億まで国が補償契約に応じている。そこから先は事業者の無限責任だけれど、これはだけど国の援助が必要な場合にはやりましょうと、こんなことでスキーム作りをやっていただいているんだと思いますが、その原則について、どちらかな、経産省かな、文科省ですね、お願いします。
政府参考人(田中敏君)
先生御指摘の我が国の原子力損害賠償制度ということにつきましては、原子力損害の賠償責任を原子力事業者の無過失責任として責任を集中させるというようなこと、そして、万が一原子力損害が発生した際には迅速かつ確実に損害賠償を履行できるように、原子力事業者に対してはあらかじめ先生がおっしゃったような民間の責任保険契約をまず結ぶ。その責任保険契約でカバーできないようなものがありますものですから、そこについては政府の補償契約というものがあって、一定の賠償措置額以上の基礎的な資金を確保するという措置が義務付けられてございます。その天災地変等につきましては、国の措置というか、被害が拡大しないようなことを国が措置をするというようなことになっているわけでございます。
こうした厳格な責任と義務ということを原子力事業者に課す一方で、原子力損害賠償制度につきましては、先生がおっしゃったように、賠償額が賠償措置額を超えた場合には、被害者保護のために必要なときは政府が原子力事業者に対し必要な援助を行うというふうに明記されてございます。
また、原子力損害の賠償の円滑な実施ということは極めて大事なものですから、そのためには原子力損害賠償紛争審査会ということが設置されまして、原子力損害の範囲の判定等の指針を作成するということと同時に、必要に応じて和解の仲介ということを行うということを伴いまして、被害者の保護に万全を期するという制度になってございます。
今回の原子力事故における損害につきましては、原子力損害賠償法に基づきまして原子力事業者である東京電力が賠償責任を果たすということになりますけれども、政府は、政府補償契約により被保険者たる東京電力からの請求に基づき政府が補償金を支払うというスキームになってございます。
いずれにしても、被害者に対する賠償が適切に行われるよう、万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
佐藤信秋君
そういうことで、解釈はあるんでしょうけれども、今回の場合には第一、第二とあるわけだから二つの事業所で二千四百億円と、まず補償契約の分は政府がというふうに、そこはいろいろ議論している最中かもしれません。決まっていないなら決まっていないで結構です。二つというふうに、これは要望。
そして、一次補正に入っていないですね、これ。これがおかしい。だから二次補正を早くやれと言っている。
これは大臣に是非、まず国が国として責任を持ちましょうと。その代わり、それをどう分担するかというのは、東京電力に丸々持たせる、持たせる能力があれば持たせる、いろんなそのスキーム今検討していただいているようですけれども、まずは国の責任分の、私は二千四百億でいいと思っているんだけど、その予算措置をちゃんとして、一次補正でですよ、それで仮払いが必要な人たちにどんどん払ってあげると。求償は後で、東電との間はそれぞれが幾らずつとやればいいんですけれども、その姿勢も見せずに、一次補正の中に入れずに、二次補正はいつになるか分からぬというような、いつになるかということじゃないんでしょうけど、今の国会中に、どうしたってそういういろんな取りこぼしがありますから、やってもらわなきゃいけないなと。
ですから、六月にでももう二次補正を出していただかないと、それぞれの市町村長や首長たちは、結局、自分が復旧のビジョン、復興のビジョンをどうやっていこうかというときに、十分な財源措置するからやってくださいと言っていく、その呼びかけをしなければ、今のままではできません。国が復興プラン作ってなんて悠長なこと言ってたらとてもとても時間が掛かります。まずは、これだけの手当てをするからこれに基づいて具体的な復旧復興の計画作りをやってくださいと。そっちが先だと。予算をきちっと手当てして、だからやってくださいということを言わないと元気が出ません。それは是非お願いしておきたいと思います。
今の話もそうなんですね。原子力賠償の話も政府は後ろに、逃げてとは言いませんが、後ろに行って、それで東電、東電と。それはいいんですよ。東電に損害賠償の責任がある、それはそうだ。だけど、一事業所当たり千二百億円という補償契約は結んでいるんですから。私、二事業所だと思うけど。それで仮払いが必要な分というのは取りあえず政府が出せばいいんです。出せばいいんです。これはまあ審議官に聞いてもしようがないでしょうから大臣によくよくお願いしておきますが、だからこそこういうことも含めて二次補正を大急ぎでやらなきゃ駄目なんです。
次に、実は、避難という問題一つ取り上げてみても、今回広域避難ですよね。広域なんですね。それで同じ県の中でももちろんはるか離れた市町村に行く、あるいは離れた県に行く。実はこれが、災害救助法が適用できる分と、それからこれは総務省の方も通知出してますけど、積極的に受け入れてください、特別交付税で面倒見ますからと。その代わり、災害救助法で受け入れる分は別にして、それ以外で避難を受け入れた県には特別交付税で見ますと。ここにもう一つ、原発で避難している人たちの分が加わるんですね。それぞれ三つ出てくる。これはよくよく、それぞれ受け入れた県や被災した県にそれを分けろといったってこれは無理です。無理ですね。それは分かりますよね。だから、それぞれ関係者集まって、どういうふうに手当てをするか、分けていくかと。
これは厚労省が責任持ってくださるならまあそれが一番いいんだと思いますけれども、厚労省がそれぞれ受け入れた県から請求を受けて、そしてこれは救助法の分、これは特交で見てもらうべき分、これは原賠の方で見てもらうべき分と、こういうふうに分けないと、これ受け入れた県も被災した県もそんなことはとてもできませんから、総務省もよくよくそういう要請を受けたらちゃんと特別交付税で見てくださいね。原賠の方もそうですよね。三者がよくよくよく話合いしながらきちっと受け止めてあげないと、これがまた大変なことになるんで、これは要請ですが、清水局長かな、一言。
政府参考人(清水美智夫君)
被災者の支援あるいは被災自治体の支援につきましては、私どももそうでございますけれども、政府部内の関係各省、連携を密に防災大臣の下にやっているというふうに考えてございます。
お尋ねのところで、災害救助法による救助の関係の費用でございますが、冒頭の佐藤先生からの御質問のように、私どもが原則九割の国庫負担、それから残りの分、地方負担につきましては総務省からの特別交付税措置と、そういう考え方になってございます。
また、実務上の請求、支払という費用の負担の軽減のためには、佐藤先生から総理への御質問を契機にいたしまして、私どもで被災三県に対する各県の請求事務を代行するという配慮をすることにしたところでございます。そのような形で進めていきたいと思ってございます。
なお、原発に係る賠償ということは、それらの災害救助関係の費用負担スキームとはまた別次元になります。まずは、避難費用等につきましては私どもの方で一遍今申しました被災県を通じて負担するということになりまして、その後被災県から原発関係につきましては原因者の方に求償すると、そういうことに、多分相当時期は後になってからであろうかと思いますが、最終的にそう整理するべきものというふうに考えてございます。
その辺り、政府部内連携取ってしっかりやってまいりたいと考えてございます。
佐藤信秋君
ごめんなさい、時間がなくなってまいりました。
もう一つ、総務省ですかね、地震、津波で庁舎がやられた、こういうのがたくさんあるんですね。それに対して今仮設までは、仮設の庁舎までは補助しますと、こういう話のようですが、これ仮設で面倒見られてもとてもとても仕事ができません。本設で面倒見て補助すると、こういう形になりませんか。答えだけ。
政府参考人(三輪和夫君)
今回の震災におきましては市町村役場の機能の回復というのが喫緊の問題になっておりますので、御指摘のように、仮設庁舎の建設等の応急的な復旧に係る経費につきましては措置をさせていただいたところでございますけれども、御指摘のその本庁舎、本格的に建て替えるような場合、こういう問題に対しては、これ復興あるいは町づくり全般にかかわる問題でもございますので、これから各市町村のお話を十分にお聞きした上で、どのような措置が必要かということを考えていきたいというふうに思います。
佐藤信秋君
検討してくださいね、よく。大丈夫だという答えだと思っていますけど、今。
あと、大臣、最後に一問だけ。
液状化ですね。これ、百分の一傾いたといってもとても生活できません。長く暮らしていると三半規管がおかしくなります。地盤に対する手当て、対策の助成もせないかぬと思いますね。それから、全壊はなかなかないという市町村もあるんですけど、ところが半壊が百戸以上あったりして、これはやっぱり被災者生活再建支援法で認めてやらなきゃ駄目なんだと思うんですが、その辺のお願い、これは要望ですが、お答えをお願いします。
国務大臣(松本龍君)
液状化につきましては、四月の早い時期に関係県の皆さんのお話をいただいて、現地に担当官を派遣をして、その後検討会議を開いて、そういう三半規管の話もありましたので、いわゆる建設、土木の学会の方々、専門の方々入れて、そして三半規管の話ですからお医者さんも入れて話をして、五月の二日に液状化の問題に関する指針の見直しをやったわけですけれども、私も地元の液状化の問題を見ておりますので、様々これからも勉強を重ねていきたいというふうに思っております。
佐藤信秋君
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