本日の会議に付した案件 |
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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佐藤信秋君
自由民主党の佐藤信秋でございます。
本日は、これは高齢者住まい法、厚労省共管ということでありますので、厚労省からもおいでをいただきました。
参考資料の方に、今、藤原委員もおっしゃいましたが、いろんな形のいろんな名称、内容の高齢者向けの住宅あるいは介護施設等があるんで、一つにしようと思ってまとめてみるとこんな感じかなというんで、この中で、全体として特養をお待ちの方が非常に多いというのが日本の場合には言われて久しいわけでありますから、最初に、特化した形で特別養護老人ホーム、待機者四十二万人というのが言われておりますが、これ、去年もたしか四十二万人程度だったでしょうかね。余り特養そのものの整備はそう進んでいないかなと。
ただ、これは都道府県の場合には交付金にしたんでしたっけかね、税源移譲したんでしたかね。税源移譲したということで、厚労省もなかなか把握しづらいと、こういう問題もあるのかなと思っています。思っていますが、政策目的としてこの特養に対しては、この整備をこれまでどんなふうに進め、年間の目標で言えば、言いづらいかもしれませんが、これからの開所の目標はどう考えるかというふうなことを最初にお聞きしたいと思います。
政府参考人(宮島俊彦君)
今委員の方から御指摘ありましたように、特別養護老人ホームの入所申込者数、これは四十二万一千人でございます。この中では特に入所が急がれる、在宅で要介護度四と五、大変重い方、これが六・七万人おられるということで施設整備の必要性が大変高いというふうに思っております。
今御指摘のように、三位一体改革で三十床以上の特養等については交付税措置ということになりましたので、この整備について、今現在は二十一年度及び二十二年度補正予算で各都道府県で介護基盤緊急整備等臨時特例基金などを設置して、この二十一年度から二十三年度までに三年間で十六万人分の整備を目標ということで取り組んでいるところでございます。
佐藤信秋君
そこでなんですよね。特養の場合にも個室推奨と、こういう形でやっておられるかと思いますが、市町村長なんかと話ししますと、きちっと自分たちは管理するから二人部屋、四人部屋認めてほしいんですという方々が結構います。
個室の場合に、今回のこの高齢者住まいの標準も二十五平米でしたか、そこでいくと、もう少し二人、四人部屋で効率良くといいますか、その代わりきちっとした介護をするんですというようなことを言っている市町村長多いですね。そこのところは、多床式でもいいんじゃないかという点については、多少柔らかくなってきたかのようにも聞いてはいますが、実態はどうでしょう。
政府参考人(宮島俊彦君)
この特別養護老人ホームについては、ユニットと言っていますが、個室ということで、個室にいる方を九人ぐらい集めて、リビングルームみたいなところを造ってお世話するという方式と、従来の四人部屋とか二人部屋でケアをするという、そういうことでの方式というのについて、将来の目標として厚生労働省としてはユニット型というのが、これはプライバシーの問題ですとか、あるいは認知症の方が増えてくるとか、あるいはこれからの団塊の世代というのはどちらかといえばそういう個室を望んでいくだろうというようなことで、個室のユニット型の整備を基本ということでこれまで進めてきております。
ただ、このユニット施設以外の施設について整備するか否かというのは、これはやはり地方公共団体の判断というのを、これを否定するというものではないということでございます。
佐藤信秋君
そこで問題なのは、施設の整備として特養ですよという形で市町村なり県なりが整備はする。今度、サービスの方が介護保険対象としてきちっと、はいどうぞ、といったサービスを提供していいんですよと、ここの部分のマッチングが十分いかないとなかなかこれ進みませんわね。そこは大丈夫だと、こう理解していいんでしょうかね。今の、少なくとも公共団体がおやりになる部分でいえば、介護保険も付いてきますよと、こう理解してよろしいかどうかということなんですが、どうですか。
政府参考人(宮島俊彦君)
介護サービス、これ自体は各市町村が三年に一度ずつ介護保険事業計画というのを作ります。その必要な各期ごとのサービス見込み量というのを設定するということで、これは来年度、二十四年度から第五期の介護保険事業計画の策定ということで地域の高齢者ニーズをより的確に反映するためのお願いを今しているところです。
ただ、その一方で、必要なサービスといっても、サービスを供給すればそれに応じて保険料が上がっていくと、お年寄り自らの保険料が上がっていくということになりまして、今これが全国平均で四千百六十円ということで、この辺を見ながら、この保険料も各市町村が市町村議会で条例を通して決めていただくということですので、そういった介護保険、財政運営とこの介護保険のサービス、これがバランスを取って行われるように各市町村で取り組んでいただいているという、そういう仕組みになっているところでございます。
佐藤信秋君
という意味では、それぞれの市町村、非常に多様性があると思うんですね。多様性がありまして、とにかく、とてもとても介護施設も特養も不足している、だから介護保険料、多少上がってでも、あるいはいろんな形で補填しながら、とにかく数増やさなくちゃという市町村と、それから、そうはいってもなと、保険料も上がるし、介護保険対象そのものとなるような施設はできるだけ立地を抑制しておきたいなと、置かれた状況で随分違ってくるとは思うんですね。
この場合に、今度のこの高齢者住まい法のサービス付きの住宅、特養不足でしようがないよとか、福祉サービス施設が全体が少な過ぎるんだと、何とかしようというところは一生懸命頑張ると思うんですね。どんどんやってくださいと。民間の事業者もいいわけですから、民間の事業者も頑張ってくださいと、自分も頑張りますよと。ただ、どちらかというと、介護保険料の方が、いや、頭痛いなというところには抑制効果が働きかねない。
こういうそれぞれの多様性があるとは思うんで、ただ全体として四十二万人、あるいはさっきの池口副大臣の目標としておられる十年間で六十万戸でいえば、この高齢者住まいサービスの、基づく供給だけでは半分しかいかない。そういう意味では一緒に計画を立ててやってくださいねというんで随分進んできたとは思いますけれども、公共団体の介護に対する熱意の度合いなのか、保険料の問題なのか、いろんな面から抑制装置が、抑制的に働くということがないようにというのは、厚労省としては何らかの考えをお持ちでしょうかね。
政府参考人(宮島俊彦君)
さらに、ちょっと説明省かせていただいたんですが、このお配りいただいた資料の中の特別養護老人ホームや老人保健施設、介護保険施設と呼んでいますが、これは指定を拒否する仕組みというものがあります。これはどうしてそういうものがあるかというと、こういう施設を利用される方というのは、一月三十万ぐらい給付費掛かるんですね、一月。こういう方。それに対して在宅で家族が、要介護の四とか五とか重くなっても掛かる方というのに対する在宅サービスの方というのは、まだまだ供給水準が高まってないということから、そういう措置をとっております。
それで、今度のこのサービス付き高齢者向け住宅でございますが、このサービスというのは、サービスといっても基本的にはお年寄りの見守りだけですので、ここで要介護度が重くなりますと、やはり在宅ケアとして訪問看護や訪問介護と、先ほど二十四時間の制度というのを新しく今度の法律で検討していると言いましたけれども、そういったものが付いていかないと、なかなかこういったところでみとりのときまでというか、終生お暮らしになるということはできないということでございますので、こういったサービス付き高齢者向け住宅に対する在宅サービスについては、そういう総量規制というかサービス総量規制は働かないという、そういう仕掛けに今なっているところでございます。
佐藤信秋君
ちょっと分かりづらかったですね。お分かりでしょうかね。
施設介護であれば三十万ぐらいとおっしゃいましたかね。で、在宅だとどのぐらいで、今回のこの包括サービスでやると、こういうような形でいくとどのぐらいと、こう三つおっしゃっていただくともうちょっと分かりやすいかなと思うんですが、どうですか。
政府参考人(宮島俊彦君)
在宅サービスというのは人によって利用する程度が違いますから、一番多い人ですと三十五万とかありまして、軽い人だと十万もいかないぐらいなんですが、平均すると十数万というのが今の水準で、重い方にきちんと行き渡っているということではないわけです。
今度、法律で検討しております二十四時間の訪問看護・介護サービスということになりますと、これはこれから報酬の設定になるんですが、三十万弱ぐらいの水準の、二十四時間、随時に行って面倒見ると、定期巡回ですので、そういうことになるんで、そういったサービスをこういったサービス付き高齢者向け住宅についても、マッチングというか、そこの提供をすることによって終生ここで暮らせるような対応を考えていきたいと、そういうことでございます。
佐藤信秋君
ということで、藤原委員の御質問にもありましたが、ここでついの住みかといいますかね、ができると。それも過度な負担といいますか、御本人にもそうですが、公共団体にも負担ができるだけ軽くなるといいますかね、というふうな方向を目指していると、こう理解すればよろしいんですね、今のお話ですと。在宅の場合に一番掛かるとすれば三十五万とかいうことにもなって、今度は三十万弱ぐらいに、高くてもと、こう理解すればいいんでしょうかね、になるように、そんな制度設計をして、言ってみれば工夫の産物と、こんなふうにとらえさせていただいてよろしいんでしょうかね。ということで、そういうことを用意して準備して、そして公共団体が取り組みやすいと、こういう形にしていく必要があるんですね。
それから多分その辺の、施設は必要だと、だけれども介護保険料と、こういうような問題からいくと若干足踏みもせにゃいかぬのかなと。そんなことをそれぞれ考えながらということで、高齢者居住安定確保計画、これを作ることにはなっているけれども、余り実態としてはまだ進んでいない。それはそうした両方の、どうしたものかなというトレードオフみたいなのがあるんだということなのかなと、そんなふうにも思っております。
したがいまして、こういうのを環境としてといいますか、環境整備をして、介護、生活支援、こうした面からのサービス付きの住宅、考え方改めて更に前に進めるようにしよう、趣旨はそういうことだと思いますが、この高齢者居住安定確保計画というものを策定すべしと、こうなっていますが、なかなか今言ったようなことだから策定できない。ここまで用意したよと、したがってどんどんやってくださいね、こういうことを大臣がメッセージを出していただく必要があるように思いますが、いかがでしょう。
国務大臣(大畠章宏君)
佐藤議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
ただいまの高齢者居住安定確保計画でございますが、確かに、今回御質問をいただくということでいろいろ調べさせていただきましたところ、群馬、東京、神奈川、大阪、熊本、この五県が策定済みでありますけれども、ほかのところでは策定がされていないということであります。
じゃ、どうして遅れているんだと、こういうことでありますが、この計画策定というものは、三年ごとに行われます介護保険制度の見直しの時期とずれたことなどから、介護保険制度の見直しを待って計画を策定するというふうに考えた地方公共団体が多いと、こういうふうに見られているわけであります。したがいまして、平成二十三年度に行われます介護保険制度の見直しと併せて計画の策定が進むものと考えておりますけれども、現在、平成二十三年度中に十九県が策定予定であると聞いておりますし、更に十三道県が策定する方向で検討中と聞いておりますので、四十程度の都道府県でこの平成二十三年度中に策定されると見ております。
佐藤議員からの御指摘のように、各都道府県は積極的にこの計画を策定するようにと私の方からも改めて要請をしたいと思いますし、今後とも高齢者の居住の安定確保に向けて国土交通省としても取り組んでまいりたいと考えているところであります。
佐藤信秋君
是非積極的にお願い申し上げたいと思いますし、計画があろうとなかろうと、とにかく進めるんだという方向性は一緒でしょうから、今計画を策定している五県以外も二十三年度改定といいますか、計画の策定を待たずに積極的にこれをお進めしていただきたいと思いますが。
確認的にちょっとお伺いしますが、このサービス付きの高齢者向け住宅、二十四時間の、何というんですか、巡回サービス、見守り、相談をやると、こういうことですが、医療なんかの提供、これもどうしても必要になってくるときがあるんだろう。例えば、具体的にこういう場合にはこういうサービスを想定していますよというようなことを明確にしてあげた方が取り組みやすいという問題があると思いますが、いかがでしょう。
政府参考人(川本正一郎君)
お答えを申し上げます。
今御指摘がございましたように、高齢者、心身の状況はそれぞれ大変多様でございますが、それぞれの高齢者、状況に応じまして必要な介護サービスだとか医療サービスだとかというのが受けられるようにする、そういった環境の整備というのが非常に大事だというふうに思っております。
今回、法律でお願いをいたしておりますサービス付きの高齢者向け住宅につきましては、安否確認と生活相談サービスを必須といたしておりますが、それに加えまして、当然、高齢者が安心してお住まいをいただけるということで、御指摘のありました医療サービスなども含めてサービスの提供というものが期待されているところでございます。
このため、法律に基づきます住宅の登録という場合には、必要なサービス、どういった形で受けられるのかということにつきまして、登録をしていただいて高齢者の方々に情報提供をしていただきまして、それによりまして、その住宅を選択されます高齢者の皆様に選択肢として明確に情報の提供をするという仕組みを用意しているわけでございます。また、生活相談のサービスにつきましても、社会福祉法人や医療法人の職員やヘルパー資格などを持っておられる方ということによります相談というのを義務付けをしておりまして、そういった面からも医療、介護、こういったサービスとも連携というものを取ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
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