佐藤信秋君
ごめんなさい、質問通告にはないんだけれども、診療所なんかを併設するとき、このサービス付きの高齢者住宅、そういうところに対する補助というのはあるんでしょうか、診療所併設とかナースステーション併設する場合に。ごめんなさい、通告していなくて恐縮ですが、そこまで手厚くちゃんとやってくださいと、こういう話なのかどうか、回答願います。
政府参考人(川本正一郎君)
この点につきましては、建物全体について戸当たり百万円を上限とする補助を行うということになっておりますので、診療所の併設も含めて、そういった高齢者向けの住宅というものが供給されるようにしたいというふうに思っております。
佐藤信秋君
今回は、戸当たり百万円のほかに不動産取得税などなどに対する税制の特例がありますよね。資料にも付けさせていただいたんですけれども、所得税、法人税、固定資産税、不動産取得税、大分こういうことでやりやすくはなるという問題だと思いますが、もう一つの問題としては、税の減免自体は民間の福祉法人とか何かも取り組みやすいようにという趣旨かと思いますが、その場合に、相対的に地価の安い地方ではなかなか、戸当たり百万円というだけではちょっと行きづらいですよねというような議論がややもするとありますから、町の真ん中で、大都市で、地価の高いところで税制特例やるとやっぱり随分効くんですよと、こういうようなお勧めはあり得るかと思いますが、その辺、地方の方でも大丈夫ですかねというような辺りはどんなふうにお考えでしょう。
政府参考人(川本正一郎君)
お答えを申し上げます。
高齢者向けのこういった賃貸住宅というのは一般的な賃貸住宅と少し入居の状況が変わります。通常の賃貸住宅ですと、最初新しく建ったときには入居者がわっと入りまして、その後、経年劣化に伴いまして少しずつ空室が増えていくというのが通常の形態でございますけれども、こういった高齢者向けの住宅というのは、高齢者の方々の選択ということもありまして、最初はなかなか埋まらないという状況がございます。埋まってしまいますと、比較的しっかりしたサービスを提供できていれば常に満室になっていくというような状況があるというふうに、私ども、厚労省さんとの勉強会等でも伺っているところでございます。
こういった意味で、立ち上がりの時点での支援というものをある程度行いますと事業運営が非常にしやすくなるということで、先生御指摘のような補助でありますとか税制でやる支援というものを今回御提案をさせていただいているところでございます。
では、地方圏ではどうかということでございますが、昨年度、試行的に補助制度というものを取りまして運用をさせていただきました。それを見ますと、例えば地方圏では民間の事業者が主体となりまして、地元の社会福祉法人などに生活相談サービスなどを委託して高齢者向けの住宅を運営するというやり方や、社会福祉法人がむしろ主体になりまして、民間の住宅事業者が建設しました住宅を借り上げて高齢者向けの住宅にするといったような例というものも散見されておりまして、こういった形での供給というものは地方圏でも相当行われるのではないかというふうに私ども思っております。
また、地域の実情に沿って住宅の供給をしていただくという観点から、今回の登録に際しましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げました都道府県が策定をいたします高齢者の居住安定確保計画に沿って供給をしてくださいというようなことで、地域の実情に沿ったものが供給できるような措置をいたしておりますし、それからまた比較的低コストで供給ができるようにということで、既存ストックの改修によります高齢者向けの住宅の供給につきましても補助を行うといったような措置を講じているところでございまして、地域の特性に応じて地方圏でもこういった住宅の供給が進むように措置してまいりたいというふうに考えております。
佐藤信秋君
ということで、さっきの大臣の御決意の話に戻りまして、五つはできたと。二十三年度介護計画の改善と一緒に十九が確保計画を作っていこうとする、それに基づいてこのサービス付きの高齢者住宅を積極的にやっていこうと。こうなると、できてないところは進まないねと、こうなってしまうんですね。そうではなくて、早く確保計画は作るけれど、それを見越しながら今のうちから積極的に取り組んでいく県や市町村、それから民間事業者、計画がなくても、やっている最中でもどんどん建てていきましょうね、どんどん供給していきましょうね、いいものをと、この精神が大事だと思うんで、これはお願いベースですが、厚労省宮島局長の方もそういうことでやっていくんだと、こう理解させていただいて、それでよろしいですよね。
政府参考人(宮島俊彦君)
第五期の介護保険事業計画、二十四年度からでございます。これは、あくまで市町村計画でございますが、第五期の介護保険事業計画の中で高齢者の居住に関する計画との調和を図るように各市町村で計画を作るようにお願いしているところでございます。
佐藤信秋君
ということで、積極的に是非お願いしたいと思いますが。
そこで、残りました時間、多少、今の東日本大震災に関連しまして、阪神・淡路のときにも仮設住宅で高齢者向けのといいますか、高齢者向けというよりは福祉のケアステーションを仮設住宅で一緒に造りましたですよね。今回も、仮設の段階においてもそれが必要だということだとは思うんですよね。それで、この制度自体を使うのは恒久的な問題でしょうから、ただ精神としては仮設にも生かしながら、福祉関係の仮設施設、それが必要かなと思いますが、副大臣、いかがでしょう。
副大臣(池口修次君)
今御指摘のように、最終的には今回の制度を使ってついの住みかをつくることは、当然狙いとしてはそういう狙いが入っているということですが、仮設の段階での問題というのはまた別個の問題で、仮設でどの程度の戸数が集まっているところにどの程度のものを用意するかというのは、全ての仮設のところに今言われたデイケアのステーションとかを設けるというところまではなかなか行けないと思いますけれども、それなりにまとまったところについてはそういう福祉の中心になるセンターなり、場合によってはコンビニとか郵便局とか、そういうのも含めたものは造ることは私は必要だというふうに思っておりますし、そういう観点でこれからも整備をしていきたいというふうに思っています。
佐藤信秋君
ということで、多少仮設の議論を少し併せてお願いを申し上げたい。
資料の三枚目に、この前も少し出させていただきましたが、仮設住宅の目標を二か月で三万戸、今回の東日本大震災の避難されている方々に対してですね。この二か月で三万戸というのは、多分、賃貸住宅の借り上げとか、それから公営住宅の貸与とかいうことを含まずにという趣旨だとは思います。それからもう一つは、一番最初に立てようとした計画で、あるいは立てた計画で、資材等を考えてですね。
問題は、二か月で三万戸というのは、実は最低限の目標だろうと思っています、私自身は。むしろ、暑くなる前にできるだけたくさんの仮設住宅を必要とするでしょうし、それから、仮設住宅、公営住宅借り上げ、賃貸住宅の借り上げとか、自力再建といいますか本当の恒久的な家ができるまでの間、一応二年間と、こう言っているわけですが、二年でなくても、今回はとっても無理ですよね。町ごとさらわれてなくなっているところ、あるいは原発周辺で戻ろうにも戻れない、そういう状況の中でかなり長期化することも覚悟せないかぬ。
そうすると、二点ほどちょっとお伺いしたいんです。一点は、三万戸というのは最小限であって、五月いっぱいまでに必要な戸数がいろんな形で用意できると、これは最も望ましいですよね、今すぐでも望ましいぐらいですけれども。そういう意味で、三万戸目標というのはこの際お取りになって、三万戸以上、できるだけ多く早急にやりますよと、五月末という意味でいえばですね。それから、七月末ぐらいまでには全体の住み直し方を、仮の住まい方をお決めいただくというような、そんな目標でおやりいただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
副大臣(池口修次君)
若干我々の言い方が誤解を与えた部分があるかと思いますけれども、二か月で三万戸というのは、まず二か月でというのは、最初に震災が起きたときに住宅連合会に二か月で三万戸まず用意をしてくださいということで、それで終わりというふうに我々は全く思っていません。
なおかつ三万戸というのは、住宅連合会にこれだけのある意味プレハブを用意をしてくださいということで、応急仮設住宅というのは、新たに建設するだけじゃなくて、御質問にありましたように賃貸で、今の制度では一応二年ということになりますけれども、長期間でいえば、場合によっては延びたときには三年とかいうところを賃貸で民間の住宅を借りる、若しくは公営住宅で空いているところを使ってもらうということもありますので、それは、まずは三万戸の外数で考えているというのは一つの我々の考え方です。
さらに、今言っているのは、なおかつその三万戸については、連合会の方からは造りますと、二か月で造りますという約束は、大臣の方も相当プレッシャーを与えながらやりましたので、それは約束をいただいております。
さらに、プレハブだけ用意しても土地がない、用地がないと造れませんから、用地については基本的には県が市町村と調整をしながら確保するということで、一時期、少し前まではせいぜい頑張っても二万六千とかいう数字がありましたけれども、この間いろいろ、財務省も財務省が管理しているものを供出しますとか、農地についても、農水省さんからはこの農地については使えますよとか、いろいろ候補を出していただいたおかげで現時点では三万戸以上の用地が確保できる見込みとなっております。トータルとしますと五月末までに三万戸を完成するということは、国交省としては強い意思で県とは調整はさせていただいています。
そのときには、県の方で要員が足りないということがあれば、現在でも、これは国交省だけじゃなくていろいろ都道府県とか都市再生機構からも派遣をお願いして、四月の十八日から三県でトータル四十九名、この用地なり建設のフォローのためにやっておりますし、最終的には、今出ている数字だけでも三県で七万二千戸ということの要請は来ておりますので、我々はこのものを、全てが五月末というとなかなか、連合会の方にも一般住宅の予約を少し横に置いて応急仮設プレハブを造ってもらっているとかいう事情もありますので、更に五月末にちょっとまた七万戸というのはなかなか難しいということですが、取りあえずは、五月末には三万戸必ず完成させて、その後七月末ぐらいにはプラス三万戸をプレハブ業者の方で造ってもらって、建設は八月ぐらいになるかなというふうに我々は考えていますが、それプラス賃貸でのものというのは外数であるという理解をいただきたいと思います。
佐藤信秋君
地元の動きとちょっと違うんですよね、よく聞いていただいた方がいいと思いますけど。福島も宮城も岩手も、在来工法でもいいじゃないかと、そんなに待っていられないと、今のお話と全然違うんです。変えてください、ここの認識は。
福島で四千戸ぐらい在来工法でやろうと思ったら、応募してきたのは一万四千戸だっていうんですね、七月末までで。早い者勝ちでいいと思うんですよ、私は。今のお話の目標に加えて、そういう問題がありますから、両方一緒にして、国が決める必要はないです、これ、ここまで。全体がどうなっていますかと、皆さんのそれぞれの各県の事情をよくよく聞いた上で、それがうまくいくようにということを是非お願いしたいと思います。これはお答え要りません。そこだけ方向を入れ替えてさえいただければいい。時間もありませんので。
もう一つは、実はシナリオが必要なんですね、これ。今日も出ていましたけど、高台に集団災害移転しようかとか、総理もエコタウンでと、総理が言っちゃいけません、ああいうことは。具体的にどうするかというのは、それぞれの市町村、本気で苦しみながら考えているわけですから、そういうのをベースにしながら、どんなふうに住み直していっていただくかと、こういうことなんですが。
最後、これは問題提起ですが、仮設住宅を造ろうとすると、一戸当たり大体十坪、九・五坪平均で外回り入れて五百万前後、五百七十万とか、そんなオーダーですよね。これ、三年間賃貸で住むとしても、五万円で借りて年間六十万とすると、三年間で百八十万。だとすると、ある程度そういう差額を防災集団移転みたいなことに使えませんかねと、こういう議論は当然あるんですね。
この辺の工夫は、もう時間ですから、この辺の検討、工夫は是非お願いしたいというこの二点は、今のお答えはなくていいですが、両方ともよく検討するよという一言を、大臣からいただくか、副大臣。大臣、どうでしょう、今の問題意識は。お答えください。
国務大臣(大畠章宏君)
国土交通省としても、今避難をしている方々が一日も早く仮設住宅に入って自分の将来を考えることができる場所を提供することが大事でありますから、御指摘のようにこの仮設住宅、一生懸命取り組んで五月末までに三万戸は造ろうと、こういうことで計画しておりますが、しかし、それにとらわれることなく輸入住宅とか様々な手を使って、あるいは今、在来工法でもいいじゃないかと、これも私もそのとおりだと思うんです。一日も早く手段を選ばずに住宅を提供することが大事でありますから、そういうことも含めて検討をし、また今御提言をいただきましたことについても十分踏まえて検討をしてまいりたいと考えているところであります。
佐藤信秋君
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