佐藤信秋君
自由民主党の佐藤信秋でございます。
本日は、十九年度補正予算の締めくくり総括で質問をさせていただくと、大変光栄でございますし、また緊張もしております。
補正予算の審議ではございますが、一番最初に、財政状況全般につきまして共通の認識といいますか、をお伺いしたい、こういうふうに思うわけであります。
地方の格差の問題、あるいは地域をそういう意味で活性化しなければいけない、国全体としては成長力の強化も必要であり、環境の立国、こうしたことも大事な問題、大変複雑多岐にわたる政策課題について進めていく、これが何より大事なことであるわけでありますが、そういう中で、財政の置かれている状況というものについて最初に認識を少し共通して持たせていただきたい、それから補正予算の内容の審議、こういうふうに運びたいと、こう思っております。
お手元に表を三枚出させていただきました。表の一が我が国の税収の推移であります。どんなふうに財政状況を理解すればいいかという点につきましては、一つの指標ではもちろん無理でございます。いろんな角度から、歳出歳入のいろんな角度から検討しなければいけない、そしてまた、これから先どうするかという点につきまして、いろんな処方せんを、経済財政諮問会議を始めいろいろ御議論いただいていると、こういうことであります。ただ、簡潔に分かりやすくという観点からいけば、実は表の一のような、こんな表も少し役に立つかなと思って作ってみたところでございます。
表の一は、我が国の税収の推移であります、税収の推移。国税と地方税とを合計したものをGDPとの比較という意味で、この平成になりましてから、九年、九年で比較して、平成元年度と十年度とさらに十九年度、これは補正後の見込みでございます、これを比較させてみていただきました。雑駁な資料ということかもしれません。私自身がこんな見方をしたらどうかなというところで出させていただいたものであります。
平成元年度、税収総額として決算ベースで八十八・九兆円、これが十年度には八十七・一兆円になり、十九年度には、この補正後で申し上げれば九十四・六兆円であると。GDP比はそれぞれ二一%、一七%、一八%、こういう状態であります。
仮にというようなことをいろいろ考えたくなる表かなと、こう思っております。
平成元年から十年度にかけましては、八十六兆円GDPは増えている。税収の方は逆に少し減っている。その中で、更に九年後、現状で申し上げれば、GDPの方は十三兆円増えて税収の方は七兆円ちょっと、こういうことであります。
平成元年のように、対GDP比二一%というような税収でありましたら財政運営も楽にやれるかな。あるいはまた、平成元年から十年のように百兆円近いGDPの増加がある。これが十年度から十九年度の間に、せめてその半分でも、五十兆円でも、そんなふうな思いもしてくる表だな、私自身はそう思っているところであります。
そういう中で、我が国の財政支出の推移というものを表の二で整理させてみていただきました。元年度、十年度、十九年度であります。主要な各経費別の整理もさせていただきました。
先ほど来、道路の事業の関係、整備の関係でいろいろ御議論ありますが、財源と予算との関係、御覧いただきますと、平成十年度公共事業、決算後は十三兆円でございます。現在の約二倍近く。やはり、財政の運営そのものは、経済の状況であるとかあるいはその時々の課題に応じて弾力的、緊急出動と、こういう形でいろいろやってきていただいたということがこれを見るとお分かりいただけようか。
ただし、当初予算それから補正後、これはそれぞれ異なった内容になるといいますか、補正予算というのは、年度の中で途中途中にどうしても対応しなければいけない緊急課題に対応してこういう形で、決算のベースというのがこういうふうにめり張りの付いた重点的な決算になっておると、こういうことかと思います。
この中で、公共事業の中では道路整備が大体三割ぐらい、これもまたそれぞれある程度バランスが取られてきた、こういうことでありまして、先ほど来いろいろ御議論ありますが、道路は特定財源があるから事業費を確保している、必ずしもそういうことではなくて、インフラ整備という中でそのバランスを取りながらやってきていただいているということを申し上げておきたいと思います。
いずれにいたしましても、こういう大変厳しい財政状況であるということが確かなわけでございまして、財務大臣の御苦労がしのばれるところでございますが、この我が国の財政状況につきまして、最初に財務大臣から認識についてお答えをお聞かせいただければと思う次第でございます。
国務大臣(額賀福志郎君)
今、佐藤委員から、平成元年、それから十年、そして平成十九年度の我が国の税財政、それから経済状況についての一定の御説明があったわけでありますが、平成十年というのは恐らく九八年のころでありますから、アジア経済危機とか日本が金融危機に直面をしたころでございます。それ以来構造改革をして、ようやく企業とか銀行だとか、そういう雇用とか不良債権の処理とかで、ここ数年ですね、経済も企業収益も良くなってきて、足取りとしては景気回復の軌道に乗りつつあるという形になってきたわけでありますけれども。
そのバブル経済崩壊後の日本経済を立て直す過程で、やっぱり税財政で何とか日本の経済の状況を良くしようということで、結果的に膨大な債務を背負っております。御承知のとおり、二〇〇〇年度で七百七十八兆円、国、地方を合わせて長期債務を抱えているわけでございまして、先進国の中でこれは最悪の水準であることは御承知のとおりでございます。
経済をきちっと軌道に乗せなければならないと同時に、この財政再建というものをどういうふうに我々が形作っていくかということは国家の最大の課題であるというふうに思っております。当面、二〇一一年に基礎的財政収支をバランス化しよう、黒字化しよう、引き続いてGDP比の債務費を縮減をして日本の本格的な財政収支のバランスを取っていこうというのが我々の考え方であります。
一方で、少子高齢化の中で社会保障の負担が年一兆円ずつ増えていくことでございますから、各分野において歳出削減をし、しかも、なおかつ必要な財源は確保しながら国民生活に混乱を与えることがないようにしなければならないということであろうと思っております。
したがって、私どもは、最終的には、そういう国民の安定した社会保障制度をつくり上げていくために、消費税を含めた税体系の抜本的な改革をしながら国民生活の安定と経済の安定成長を目指していかなければならない。そのことを念頭に置きながら今、様々な経済政策、財政政策を行っているところであるということでございます。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
そういう厳しい状況の中で年度の中での緊急対応、こういう形で補正予算を今回お出しになられた。原油高騰対策であるとか、あるいはまたサブプライムローンの問題、あるいはまた食品の、食の安全、安心のための安定供給、いろんな観点から大急ぎで補正を組み、そして対策を講ずる、大変意欲的に補正予算が組まれたものと、私はそう理解しております。
今回の補正予算についてのポイントにつきまして財務大臣から、ごく簡潔で結構でございますが、お話をいただければと思います。
国務大臣(額賀福志郎君)
おっしゃるように、まず基本的には、先ほども申し上げましたけれども財政再建の旗印は下ろさないということで、これは公債を発行はしない、増発は行えないと、そういう前提の下でこの補正予算を組ませていただきました。
その中では、おっしゃるように、災害対策とか原油高対策とか、そういったことについてきめ細かく対応させていただいたと。災害復旧費、それから学校等の耐震化の問題、それから原油対策では、中小企業の金融とか農林漁業の手当てとか寒冷地に対する灯油の手当てとか、そういったことをきめ細かく一兆八千億円弱の補正予算を組ませていただいておりますので、生活の安定のためにも、あるいはまた日本の経済の安定のためにも、できるだけ早くこの審議を終えて成立をさせていただくことを心から期待をしているものであります。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
国の台所は非常に厳しいというのは、先ほど表の一、二で御覧いただいたところでございます。
地方財政の方はどうか。これまた大変な厳しい状況であることも確かでありまして、表の三に地方財政計画の推移というものを皆様のお手元にお配りさせていただきました。特に平成十年度から十九年度にかけましての九年間、地方財政計画の中では、歳入から地方債を引いて、実質の支弁といいますか歳出に回し得る実質の歳入、こういう点でいえば三兆ほど少なくなっている、こういうことも事実でございます。
地方財政の現状について、総務大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(増田寛也君)
お答えを申し上げます。
地方財政の方も大変今、委員御指摘のとおり厳しい状況でございまして、まず、バブル経済崩壊後、随分経済対策を行ったわけでございますが、そうした内容は公共事業の追加が大変多うございました。そのための地方債の発行額に対しての元利償還金、ちょうど今が開始の時期に当たっておりまして、それが非常に累増している。それから、その表にもございますけれども、地方税収が、これは国税とも連動してございますけれども、やはり途中で落ちたり、あるいは伸びがまた鈍化をしている。それから、社会保障関係費等の義務的経費が拡大している。こういったようなことがございまして悪化をしているということでございます。
近年、各地方団体、人件費ですとか公共事業の削減など懸命な努力を続けてはおりますけれども、そうした結果、地方財政全体で見ますと、借入金残高が減るなどの健全化の姿、現れてはきておりますが、ただ一般財源総額の確保には大変今苦労しておりまして、来年度などは、そういったことをいろいろと実施を行いましたけれども、今後もまだまだこうした財政健全化のための努力が必要となる。これは、私どもは歳出歳入一体改革を更に進めたり、あるいは成長力の強化のために国全体としてはそのために努力をしたり、それから特に問題になります地方の再生、活性化ですね、そのための改革を進めたり、分権の徹底、こういったようなことによりましてこの財政健全化のための改革に取り組んでいきたいと、このように考えております。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
ところでであります。補正予算を組むと、こうなりますと地方の方の負担も出てくる項目もかなり多い。そういう中で、地方財政非常に厳しい中でありますから、どう手当てするか、ここのところがまた大事な問題で、補正のたびにいろいろ御工夫いただいている、こういう問題かと思います。
今回の補正予算に関しまして、地方の財政対策、財源対策等について、お考え、方針があればお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(増田寛也君)
十九年度の国の補正予算関係でございますが、先ほど財務大臣の答弁にもございましたとおり、特に重点的に災害復旧事業、それから学校耐震化事業などの事業を緊急性があるということで追加したわけでございますが、こうしたもの、投資的経費については、その地方負担分、これは数字で普通会計分で約三千六百億ほどございますが、これにつきまして必要性や緊急性が高いということにかんがみまして、原則としては地方債、しかも充当率一〇〇%ということで地方財政措置を行いました。
そして、後年度におきましてその元利償還金の全額を基準財政需要額に算入すると、こういうことによりまして地方の負担感を軽減をすると、こういうことにさせていただきました。
そのほか、先ほどの財務大臣のお話にもございました原油高騰対策等もございますが、これもいわゆる福祉灯油の部分については特交措置を講ずるなど、我々としても、この補正予算関係につきましては地方財政措置、最大限の努力を行ったところでございます。
佐藤信秋君
地方債に対して充当率一〇〇%で、後年度償還については財政需要は一〇〇%、また全額を見ると。これは従来なかった大変な手厚い手当てといいますか手厚い配慮と、こういうことで大変感謝申し上げる次第でございます。
時間がなくなってまいりましたので、総理には一番最後に御決意等をお伺いさせていただくことにいたしまして、以下、具体的に補正予算の項目につきまして、多少お教えをいただければと思います。
国民の安全、安心、暮らしの安定、こういう面から大急ぎで取るべき対策、こういうことでございますので、取る対策の内容と、それからいかに急ぐかという点についてはまた御指導いただければと、こう思う次第であります。
最初に、防災担当、泉大臣にお伺いしたいと思います。
補正予算の措置の対象となりました十九年の災害、こういうことになろうかと思いますが、被災者生活再建支援法も改正していただいて、これは臨時国会の与野党共同作業の結果でございますが、そうした内容も含めて、国民に対しての災害からの復旧復興、あるいはまた再度災害防止、こうした点が盛り込まれている補正予算であろうかと思います。
主な災害と、また、それに対するいかなる手当てを行っていくかというような点についてお聞かせいただければと思います。
国務大臣(泉信也君)
十九年度の補正予算の対象となる主な災害といたしましては、新潟中越沖地震のほかに能登半島地震、それから台風四号、これは七月に南九州を襲ったものでございます。それから五号、これは八月にやはり南九州を襲ったものでございます。さらに、十一号、これは九月に沖縄と秋田を襲ったものでございます。そして、十二号、これは沖縄の竹富島などの風水害が対象となっておるわけでございます。
これらの災害は、もう既に能登半島あるいは中越等々の災害の模様は御承知だと思いますが、例えば中越沖地震では十五名の死者が大変残念なことでございますが出ておるほか、各地で多大な人的、物的な被害が生じております。四号では七名、十一号では四名の死者、行方不明者が出ておるということでございます。
先日来、大変お力添えいただきました生活再建支援者の新しい法律に基づきまして、先ほど申し上げました四つの災害については災害を特定いたしまして新しい法体系の中で支援をさせていただく、こういう予算も組み込んでおりまして、総額で約七千三百億という数値を計上させていただいておるところでございます。
佐藤信秋君
災害の復旧復興、そして特に被災なされた皆様の生活再建の支援、こうした点は一日もといいますか、早くという問題だろうと思います。そういう意味で、補正予算を大急ぎで上げるということがお待ちになっておられる被災地の皆様、あるいはまたこれからの災害に備えようという各地の皆様の期待しているところだと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
そういう中で、文科大臣にお伺いしたいんでありますが、耐震、学校の耐震改修でございます。
宮城県沖地震は三十年以内で起きる確率というのが、確率ですが、予想されていますのが九九%。東海、東南海、南海地震、三つの予測を足し合わせますと二〇〇%を超えるという、三十年以内にですね、そういう非常に厳しい切迫した状況。こういう中で児童生徒が毎日過ごす学校の耐震化、これが本当に大丈夫かなということが心配されるところであります。なかなか予算的な面もあって厳しくて進まないと、こういう状況だとも理解しております。
今回の補正予算の中で随分また手当てしていこうと、こういう意欲の見える補正予算だと、こう理解しておりますが、現在の学校の耐震の改修状況の進捗と、そして今回の補正予算でどう期待し得るかというような点につきまして御教示いただければと思います。
国務大臣(渡海紀三朗君)
委員御指摘のように、学校施設というのは子供が一日の大半を過ごす場所でもありますし、また被災時に、災害が起こりますと地域の緊急避難所になる、これは公立小中学校で九割ぐらい指定されていると聞いておりますが、そういう場所でございますから、大変耐震化は重要、安全確保は重要な問題であると考えております。
しかしながら、これまで努力はしてまいりましたが、平成十九年四月現在、耐震性が確保されている建物は全体の六割弱ということでございまして、一層の推進というものが必要であるというふうに考えております。
補正予算におきましては、このために、先ほど財務大臣からもお話がありました、総務大臣からお話もありました、地方の手当てもしていただいて、千百三十八億円を計上をいたしております。このことによりまして耐震化が、今、これはあくまで予想でございますけれども、六五%前後ぐらいまで、これは十九年四月が五八・六でございましたから、今年度の予算も含めてずっと考えますと、その程度まで進むのではないかなというふうに見込んでおるところであります。
今後とも、特にこれ生活安心プロジェクトの中で計画をいたしておりますが、非常に緊急度の高いもの、大規模な地震によって倒壊のおそれがあるといったような高いもの、これにつきましてはもう五年以内にとにかく整備をすると、一万棟ぐらいあると予測をしておりますが、なお加速できないか考えていきたいというふうに考えておるところであります。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
次に、原油の高騰対策につきまして大田経済財政政策担当大臣にお伺いしたいと思います。
いろんなメニューがこの補正予算の中に入っている、大急ぎでやっていこう、こういう趣旨だと思いますので、お教えいただければと思います。
国務大臣(大田弘子君)
昨年十二月二十五日に取りまとめました原油高騰対策は六本の柱で成り立っております。第一が中小企業の資金繰り支援などの業種横断的対策、第二が建設業、漁業、農林業など業種別の対策、第三が離島や寒冷地の福祉灯油、あるいは地方バス路線など地方の生活関連対策、それから構造的な取組としまして、第四に省エネ、新エネなど構造転換対策、第五に国際原油市場の安定化への働きかけ、そして六番目に便乗値上げを防ぐための価格監視の強化でございます。
十九年度補正予算で約四百三十億円、それから二十年度予算案で千七百二十億円となっております。補正予算では、具体的には、中小企業の資金繰り支援として二百三十七億円、それから漁業向け基金など業種別対策として百六十九億円、それから国民生活への支援に二十三億円を計上しております。
それぞれの対策が真に実効あるものになるように、きめ細かく対策を講じてまいりたいと思います。
佐藤信秋君
ありがとうございます。
地方公共団体とも共同しながらやっていかなければいけないという、離島航路補助であるとか、そういう問題も多く含まれている、こういうことでありますので、地方の県会の補正審議に間に合うという形で、できるだけ早くアウトラインがそれぞれにお示しができるようになればと、こういうことだと思っております。
次に、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
厚生労働大臣関係につきましても、市町村の条例の制定等、大急ぎでやらなければいけないという、高齢者の医療負担等の問題があろうかということでもございますので、是非その辺をお教えいただければと思います。
国務大臣(舛添要一君)
厚生労働省関係の平成十九年度補正予算の概要でございますが、まず災害対策関係費で百六十三億円、国民健康保険や老人医療などの義務的経費の追加として千五百五十二億円、そのほか高齢者医療費負担増の凍結関係で千七百十九億円、さらに中国残留邦人に対する新たな支援策で二百五十億円など、緊急に必要となる経費を計上しておりまして、追加額の合計は三千八百八十八億円でございます。
しかし一方、これに対しまして、既定経費の節減を図りました。総額千四百五十五億円の節減を図っているところでございます。
いずれにいたしましても、国民に最も関係あるこの社会保障の分野において、この補正予算において緊急な課題に正面から取り組んでまいりたいと思います。
佐藤信秋君
高齢者医療負担等につきましては、市町村の条例の制定、保険料の設定でしょうかね、そうした問題もあるので、急いでそれぞれ具体的にアウトラインが示せる、こういう形で市町村段階の補正の審議に間に合わせていただければということだと思います。
次に、農林水産大臣にお伺いいたしたいと思います。
米の緊急対策を講ずる、あるいはまた農業全般の対策を大急ぎでやろう、こういう意欲が盛り込まれた補正予算になっておろうかと思います。その点につきまして概要をお教えいただければと思います。
国務大臣(若林正俊君)
委員御承知のとおり、主食用の米の消費が一貫して減少をしている中で、消費の減少ほどには主食用米の作付面積が減少をしないため、需給バランスが欠けてしまいました。その需給調整の実効性が確保されていないことなどによりまして、平成十九年産米の米については米価が大幅に下落をいたしました。地域水田農業の活力が失われていくと、損なわれているというような状況にあるわけでございます。
このような状況に対処するために、私を本部長とする農政改革三対策緊急対策本部を立ち上げまして、ここで十九年産米の米価下落に対応するための緊急対策、また主食用の米の需給バランスを確保して米価の安定を図るための二十年産の生産調整の実効性確保に向けた取組、また地域の実態に即した品目横断的経営安定対策の見直しなどを決定をいたしまして、十九年度補正予算と二十年度の当初予算の追加分と合わせまして、総額一千百十一億円の関連対策を措置したところでございます。
具体的には、補正予算におきまして生産調整を確実に実施し、麦、大豆、飼料作物、またバイオエタノール用の原料の米、あるいはまたえさ用の米など、食料にしない米の生産の拡大定着を図るために、主食用米以外の作付け転換を行う者に緊急一時金を交付するという対策や、また穀物の国際価格の急激な上昇に対応しまして、国内の生産体制を強化するために、小麦の主産地の担い手が行う一段の品質向上などへの取組の支援などを措置したところでございます。
これらの対策を早急に実施に移すことによりまして、米価の安定を図るとともに、地域水田農業の活性化を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
以上、主要なポイントについてお伺いしてまいりました。大変厳しい財政状況だと、こういうことではありますが、随所に手当てといいますか、手を当てる、地方に手を当てる、あるいは中小企業に手を当てる、農林漁業に手を当てる、こうした配慮がきめ細かく入れられている、こういう補正予算かと思っております。
大急ぎで成立させていただく必要があるだろうと、こう思いますので、総理から最後に一言お伺い申し上げたいと思います。
内閣総理大臣(福田康夫君)
ただいま各大臣から補正予算の中身についてお話をさせていただきましたけれども、御案内のとおり、これはもう国民の生活基盤を支えるまあ災害対策といったようなもの、また国民の生活そのものを支えるような原油高騰対策といったような、もうすべて国民に直接関係するような内容のものがほとんどでございまして、そういうものであるからには、もうできるだけ早くこれが実施されることが国民のためにとっていいんだというふうに思っております。ですから、この補正予算、厳しい財政事情の中で組んだ補正予算でありますけれども、それだけに、一日も早く実施され、国民に行き渡るようにというように考えております。
この委員会におきましても、この補正予算、一日も早く成立しますように心からお願いを申し上げたいと思っております。
佐藤信秋君
ありがとうございました。
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