佐藤信秋参院議員は、議員立法の改正公共工事品質確保促進法(品確法)・入札契約適正化法(入契法)・測量法が12日に成立したことを受け、取材にコメントした。法改正内容を立案した自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」の幹事長として、現場が直面する課題の意見聴取に応じた業界団体などの関係者に謝意を表しつつ、「公共調達はデフレ構造」と指摘し、是正に向けて品確法改正を継続的に検討する必要性を示した。
「2014年改正は、発注者が受注者の適正な利潤を確保するようにし、公共工事従事者の労働環境改善も入れた。19年改正では、元請けが下請けの利潤と工期を確保した発注をすることを盛り込んだ」と、過去2回にわたる品確法改正の内容を振り返った上で、建設業への時間外労働の上限規制道用を踏まえた働き方改革の推進を目的に「今回は、担い手の休日確保を推進するための措置を追加したことがポイントの一つ」と説明した。
技術力のある建設業者と地域建設業者が連携・技術協力できるよう発注者が新たに取り組むこともポイントに挙げ、「技術移転を進め、地域の業者がしっかり残れるようにする」と力を込めた。
他方で、現行の公共調達制度に疑問を呈した。発注者が労務費や諸経費の調査で把握した前年度実績を基に積算し、予定価格を定める仕組みだが、積算価格と予定価格が同額かつ予定価格より低い入札額でなければ落札できないルールのため、調査で把握する前年度実績が毎年度下がっていくとして、「公共調達制度はデフレ概造そのものだ」と断じた。
政府がコストカット型経済からの脱却を進めていることも踏まえ、建設産業をより持続可能にするために、品確法からアプローチした公共調達制度のデフレ構造是正策を今後検討する必要があると主張した。