新聞記事
令和6年1月31日 建設工業新聞
建設工業新聞

自民議連
災害対応時の発注柔軟化
品確法改正案
担い手確保で規定充実

自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)の公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)改正プロジェクトチーム(PT)は30日に開いた第2回会合で、改正案の政策骨子案について詰めの議論を行った。災害対応時や不調・不落の恐れがある場合など積算価格が実勢と食い違うことが想定される事態に備えるため、発注者側が柔軟に対応しやすいよう法的な枠組みを設けておくべきといった追加の意見もあった。近く開催する議連総会まで改正案に反映させる。

初会合での修正意見などを踏まえへ政策骨子案に新たな事項を盛り込んだ。働き方改革のため休日を確保する観点で、地方自治体発注工事に焦点を当てて施工時期の平準化の取り組みを強化。自治体間の連携だけでなく、自治体内の入札契約部局や工事実施部局、財政部局など関係部局間の連携に努めるよう新たに明記する。

担い手の中長期的な育成・確保のため、職業訓練法人への支援や、工業高校などと地元業界の連携、外国人を含む多様な人材の確保に向けた環境整備を国と自治体に求める。受注者の責務として従業員の適切な処遇の確保と、多様な人材が能力を発揮できるような雇用管理の改善を新たに位置付ける。

調査などの担い手確保にも射程を延ばし、技術の進展に対応した測量士・測量士補の確保策などを測量法に反映させる。養成施設の登録要件や、測量士資格などの付与要件を柔軟化。学位授与者など現行の資格保有者と同等以上の知識・技能を持つ者を国が認定し資格を付与することなどを明記する。

能登半島地震で復旧対応に当たる建設会社らの実情を踏まえ、さらに追加すべき規定の提案もあった。地元企業が自ら被災し対応に苦慮していることから「必要な設備など環境整備を国や公共発注者がサポートする仕組みを盛り込めないか」との発言もあった。