自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)は30日、東京・永田町の衆院第1議員会館で総会を開いた。幹事長を務める佐藤信秋参院議員は技能者の処遇改善に向け、適正利潤を確保し賃上げにつなげるための安値受注対策の強化を提案。予定価格の上限拘束性撤廃とともに、応札額が予定価格を上回り再入札が発生する前の段階で1番札と2番札の応札者と随意契約交渉できるような仕組みも有効との考えを示した。
佐藤氏は一般的に工事などの入札で不調・不落が発生した場合、予定価格を積み増し発注内容を再検討する手続きや、その対応が受発注者双方に大きな負担になっていると指摘。技能者の処遇改善を後押しする観点からも随意契約の有効性を挙げるとともに、あらかじめ予算の積み増しに対応できる分を予定価格の数%程度確保しておき、その範囲なら価格交渉に応じるといった仕組みも提案した。
総会では国土交通省の施策に対し議員からさまざまな質問や意見が出た。民間工事で資材や人件費などコスト上昇分が思うように工事価格に転嫁されていない状況を踏まえ、事務局長代理を務める足立敏之参院議員は国交省に不動産業界など民間発注者と意見交換の揚を設け議論していく必要性を訴えた。
この意見に対し、国交省は不動産業界ともパートナーシップの関係にあるとして、受発注者双方にとって適切な建設現場を構築していくとした。