自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)は30日、東京・永田町の衆院第1議員会館で総会を開き、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の見直しを提案した。持続可能な建設業の構築を目指し、国土交通省の外部有識者委員会が建設業法や公共工事入札契約適正化法(入契法)の改正を視野に議論している建設業関連制度の改善と連動。2024年の通常国会では14年、19年の改正に続き、「担い手3法」として公共工事品確法が建設業法や入契法とともに一体で審議されることになりそうだ。
処遇改善やDX推進へ
総会では国交省の塩見英之不動産・建設経済局長や林正道官房技術審議官ら幹部を招き、建設業行政や直轄事業を取り巻く最新の話題についてヒアリングした。塩見氏は中央建設業審議会(中建審)と社会資本整備審議会(社整審)産業分科会建設部会に基本問題小委員会を合同設置し、技能者の賃上げや請負契約の透明化による受発注者間のリスク分担などを議論していると報告。近く中間取りまとめを行い、24年の通常国会に提出する建設業法などの改正を検討していくと説明した。
林氏は直轄事業でこれまでに対応していたり、新たに予定していたりする資材高騰対策や女性活躍の推進、DXなどの実績や取り組み方針を明らかにした。
総会後に会見した根本会長は業界が直面する喫緊の課題として、24年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制を挙げた。国交省がこれから民間工事も含む建設工事全般を対象に、適正な工期や予定価格の設定などを後押しし実現しようとしている技能者の処遇改善や働き方改革、女性活躍、DXの推進といった課題も列挙。過去2回の法改正と同様、国交省が建設業法や入契法を改正する場合、公共工事品確法も含む3法一体で改正した方が効果の拡大が見込めるとした。
総会や会見には議連の佐藤信秋幹事長や梶山弘志事務局長、足立敏之事務局長代理らも出席。測量設計分野の担い手確保を後押しする観点から、担い手3法と一体で閣法の測量法改正も提案した。