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2023/6/12(月)
新聞記事
令和5年6月12日 建設工業新聞
建設通信新聞

強靱化中長期計画
岸田文雄首相に策定を要望
日建連、全建、道建協
将来展望描けるように

日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長と全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長、日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)の吉川芳和副会長が岸田文雄首相を8日に訪ね、国土強靱化予算の安定確保をそろって要望した。そのため「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の後継となる、新たな中長期計画を早期に策定することも求めた。岸田首相は中長期計画の法定化に言及し、建設業界が安定した事業量の下で将来の展望を描ける環境整備に意欲を示した。

日建連は押味至一、蓮輪賢治両副会長が同席。自民党の佐藤信秋、足立敏之両参院議員も同行した。

要望内容は3団体ともほぼ同じ。国土強靱化対策を柱とする公共事業予算の持続的な安定確保に向け、現行の5か年加速化対策の後継となる新たな中長期計画を早期に策定するよう要望。共通して個別事業ごとに事業規模や整備スケジュールを明示するとともに、5か年加速化対策と同等以上の予算額確保も訴えた。

3団体が要望した5か年加速化対策に続く国土強靱化の新たな中長期計画策定は、今国会で審議している議員立法の国土強靱化基本法改正案が前提にある。法案では新たに5か年加速化対策の後継計画を含む「国土強靱化実施中期計画」を法定化することを規定。国の国土強靱化推進本部(本部長・岸田首相)の下部に国土強靱化実施中期計画の策定や、5年ごとに見直す「国土強靱化基本計画」の改定に向けて話し合う会議体の設置規定案も盛り込んでいる。

岸田首相はこうした動きを念頭に「国土強靱化のポスト5か年加速化対策に備え中長期計画を法定化することにより、建設業界が将来の見通しをもって仕事ができる環境整備をしていきたい」と述べた。

さらに関東、中部、近畿、四国などの各地に被害が及んだ今月の大雨災害にも触れ「国土強靱化の事業の効果もあり被害が従来より少なくなったと感じる。しかし、地球温暖化の進展もあり一層の取り組みが必要と考える。国民の命と暮らしを守る環境整備を今後もしっかり進めていきたい」と話した。

法案は6日に衆院を通過し、9日に参院で審議入りした。今週にも参院本会議で可決、成立する見通しだ。成立すれば公布と同時に施行される。