2023/2/13(月)
新聞記事
令和5年2月13日 建設通信新聞
建設通信新聞

公共工事設計労務単価引上げ
政策的視点の反映を
斉藤国交相「目に見える形で」
自民・品確議連

自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」は9日、担い手の処遇改善と公共事業の円滑な施工確保に向け、公共工事設計労務単価の引き上げなど4項目を斉藤鉄夫国土交通相に要望した。働き方改革対応など政策的視点を反映して労務単価を引き上げる必要があると訴えた。非公開で実施した要望活動の後、取材に応じた根本匠会長(衆院議員)は、労務単価に関する要望に対して「大臣から『目に見える形で』という発言があった」ことを明らかにした。

要望項目は、▽公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価の引き上げ▽公共工事の円滑な施工確保の徹底▽建設産業の担い手確保の取り組みの推進▽賃上げ推進に向けた「総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置」の適切な運用−−の四つ。8日の総会で上がった意見と、日本建設業連合会や全国建設業協会など建設産業に関係する15団体の要望を踏まえて、まとめている。

今回の要望で最も注目されるのは労務単価と技術者単価。

総会で根本会長は、岸田文雄首相が物価上昇率を超える賃上げを産業界に求めていることや、建設業への適用が1年後に迫る時間外労働の罰則付き上限規制を踏まえた週休2日確保と働き方改革が急務であることを挙げ、「政策的視点を入れた労務単価であらねばならない」と主張しており、要望でもこれらを「しっかりと労務単価に政策的に入れ込むことが大事」との考えを斉藤国交相に伝えた。国交省は新たな労務単価と技術者単価を近く公表する見通し。

このほか、「公共工事の円滑な施工確保の徹底」で取り組みの一つとして、資材価格の高騰などを踏まえたスライド条項の適切な運用を新たに求めた。

「総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置」に関しては、賃上げ実績の確認を柔軟に実施することと、必要に応じて制度を適切に改善することを要望している。

要望とは別に、時間外労働の罰則付き上限規制の適用開始に伴う建設現場の課題を整理し、政策的に対応する必要があると佐藤信秋幹事長(参院議員)が斉藤国交相に訴え、議連と国交省の間で共通認識を確認した。