自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(会長・根本匠衆院議員)の幹部が9日、東京・霞が関の国土交通省に斉藤鉄夫国交相を訪ね、建設産業の担い手の処遇改善と円滑な施工確保に向けた要望書を提出した。新しい資本主義の考え方に基づく「成長と分配の好循環」の実現に政府全体で取り組む中、公共工事設計労務単価・技術者単価の引き上げを強く要望。2024年度から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制を踏まえた処遇改善や働き方改革、生産性向上の取り組みも急務と訴えた。
根本会長と佐藤信秋幹事長、盛山正仁副会長、梶山弘志事務局長、足立敏之事務局長代理が要望活動に参加。前日の総会を踏まえ、▽設計労務単価・技術者単価の引き上げ▽公共工事の円滑な施工の確保の徹底▽建設産業の担い手確保の取り組みの推進▽賃上げ推進に向けた「総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置」の適切な運用―の4項目を要望した。
面会後に根本会長は設計労務単価・技術者単価の引き上げについて「週休2日制への対応、特に時間外労働の上限規制もあり、それをしっかりと政策的に入れ込むことが大事と申し上げてきた」と話し、斉藤国交相から「目に見える形で」要望に応えるとの回答があったことを明かした。
要望書では地方自治体発注工事も含め、資材価格などの市場実態を反映した適正な予定価格の設定やスライド条項の適切な運用、ダンピング対策の徹底・強化などを強力に推進するよう求めた。賃上げ企業に対する総合評価方式の加点措置は関係団体の意見も踏まえ、実績確認段階での柔軟な運用、必要に応じた適切な制度改善を要望した。