2023/2/10(金)
新聞記事
令和5年2月10日 建設工業新聞
建設工業新聞

処遇改善や円滑な施工確保を
自民品確議連総会で発注機関に要望
総合評価での賃上げ企業加点の改善・廃止も

建設関係15団体は、8日に東京都内で開かれた自民党「公共工事品質確保に関する議員連盟」(根本匠会長)の総会で、国土土交通省など発注機関に対する要望を伝えた。将来にわたる担い手確保や安定した経営を支えるため、公共工事設計労務単価や設計業務委託等技術者単位の引き上げによる技能者・技術者の処遇改善を要望。円滑な施工や業務履行の確保も訴えた。ただ賃上げ表明企業を総合評価方式の入札で加点する国の措置に対しては、運用の改善や早期の廃止を求める意見も出た

15団体の内訳は▽日本建設業連合会(日建連)▽全国建設業協会(全建)▽全国中小建設業協会(全中建)▽全国建設産業団体連合会(全国建産連)▽建設産業専門団体連合会(建専連)▽建設コンサルタンツ協会(建コン協)▽全国測量設計業協会連合会(全測連)▽全国地質調査業協会連合会(全地連)▽コンサルティングエンジニア連盟▽日本道路建設業協会(道建協)▽日本橋梁建設協会(橋建協)▽プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)▽全国建設働組合総連合▽全国ビルメンテナンス協会▽全国ビルメンテナンス政浩連盟。

日建連や全建などは、労務単価の引き上げを柱とする技能者の処遇改善を要望。全建や全中建は、公共工事の積算に用いる一般管理費の算入率引き上げも呼び掛け、全中建単体では最低制限価格率95%以上の設定も求めた。

日建連や全建は国の公共調達で運用している総合評価方式の貸上げ加点措置の運用にも言及。政策の趣旨には贅同するものの、原稿の運用ルールで定める賃上げ未達企業に課す減点措置の緩和を要望した。日建連は継続性などに課題が見られるとして、出来るだけ早期の廃止を検討することも呼び掛けた。

技能者の処遇改善ではツールとして、日建連や建専連が建設キャリアアップジステム(CCUS)の有効性を指摘。建専連はすべての工事で稼働させるため法律に位置付けることを検討するよう提案した。

建コン協は、全測連や全地連と共同で技術者単価のさらなる引き上げや業務量安定の確保を柱とする要望事項をまとめた。

業界が直面する資材高騰の対策では、多くの団体が民間工事も含め適切な価格転嫁の対応や呼び掛けを要望。2024年4月に迫る時間外労働の罰則付き上限規制に対応した余裕ある工期・業務納期の設定や発注時期の平準化など、時間外労慟の削減や週休2日の確保を後押しする働き方改革への協力も求めた。

日建連や全建などは中長期視点で安足かつ持続的な公共事業費を確保するため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に続く中長期事業計画の策定にも期待を示した。