深刻化する資材価格の高騰を受け、建設業団体は政府に対して早期の事態収束を訴えている。日本建設業連合会(宮本洋一会長)、日本道路建設業協会(西田義則会長)、日本アスファルト合材協会(石津健光会長)に続き、全国建設業協会(奥村太加典会長)も要望内容をまとめ、他団体と同じく契約価格への適切な転嫁、柔軟な条件変更を求めている。
各団体とも価格高騰の長期化に伴う会員企業の経営面への影響を危惧(きぐ)しており、「もはや企業の経営努力で対応できる水準を超えている」(宮本会長)、「(会員の)自助努力には限界がある」(石津会長)と吐露する。
全建では現状を踏まえ、公共工事標準請負契約約款に定めている物価スライド条項の公共発注機関での運用徹底と、市区町村への指導を求めている。民間工事標準請負契約約款内の「エ期中の価格変動にかかる条項」の契約時の設定、スライド条項の導入検討にも踏み込んでいる。
また、今回のような急激な価格変動を工事発注時の設計単価に速やかに反映させるため、民間調査機関が実施する資材価格調査方法(積算資料)の見直し・改善指導を要望している。
公明党の緊急政策要望懇談会に合わせ、先に要望内容をまとめていた日建連は、民間発注者との適切な工事契約に向けた関係団体への指導、地方自治体でのスライド条項の運用徹底、民間工事契約時の価格変動条項の設定のほか、事業者を対象とした相談窓口の拡充などを盛り込んでいる。
道建協と日合協については、会員がアスファルト合材の「製造・販売者」と「購入・施工者」の両面を持つため、ストレートアスファルト価格の抑制、合材購人者と国土交通省などの舗装工事発注者を対象とした適正な価格での転嫁対策の検討を連名で求めている。
4団体は、13日に開かれた自民党・公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連の幹部会)に出席し、それぞれの要望内容を説明した。