国土交通省は18日、土木コンサルタント業務などの積算に使う、2022年度の「設計業務委託等技術者単価」を決定した。前年度と比較した全国の全職種平均(単純平均値)の伸び率は3.2%となり、10年連続で上昇した。全職種平均の基準日額(単純平均値)は4万2195円で、公表開始以降の最高値を更新した。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、前年度を下回った単価を 据え置きとする特別措置は継続したが、適用職種が減少したため、伸び率に及ぼす影響も低下している。
通常は4月となっている改定のタイミングをことしも前倒し、3月1日から適用を開始する。
技術者単価は所定労働時間内8時間当たりの基本給相当額、諸手当、賞与相当額、事業主負担額で構成する。コンサルタント業務や測量業務などの設計業務委託等の積算の根拠となる。今回から、改正労働基準法の適用など時間外労働を短縮するための対応が不可欠となっている実態を踏まえ、必要な費用を算定に反映した。
22年度の業種別の職階平均は、設計業務が前年度比1.3%増の5万0100円、測量業務が5.2%増の3万5820円、航空・船舶関係業務が3.7%増の4万円、地質業務が5.3%増の3万8033円となった。
新型コロナの影響による単価の据え置き措置は、設計業務の技師(A)、技師(C)、技術員、航空・船舶関係の撮影助手に適用した。昨年の5職種から1職種減少し、特別措置の影響も約5%(21年度は約6%)に縮小した。
全職種平均での技術者単価の伸び率は、回復傾向に転じた13年度以降、13年度が1.2%、14年度が3.2%、15年度が4.7%、16年度が3.8%、17年度が3.1%、18年度が3.0%、19年度が3.7%、20年度が3.1%、21年度が1.6%と継続して上昇。3.2%の上昇となった今回の改定によって10年連続の増加となった。
〈〉は特別措置によりコロナ禍の影響を考慮した単価を示している