自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(会長・根本匠衆院議員)の幹部が10日、東京・霞が関の国土交通省に斉藤鉄夫国交相を訪ね、建設産業の担い手確保や円滑な施工確保に向けた要望書を提出した=写真。岸田政権下で「成長と分配の好循環」の実現に取り組む中、公共工事設計労務単価・技術者単価の継続的な引き上げを強く要望。賃上げ企業を対象とした総合評価方式の加点措置の適切な運用も求めた。
根本会長と佐藤信秋幹事長、盛山正仁副会長、梶山弘志事務局長、足立敏之事務局長代理が要望活動に参加。1月18日に開いた総会を踏まえ、▽労務単価・技術者単価の引き上げ▽公共工事の円滑な施工の確保の徹底▽建設産業の担い手確保の取り組みの推進▽賃上げ推進に向けた「総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置」の適切な運用−の4項目を要望した。
面会後に根本会長は「いずれも積極的な回答をもらった」と手応えを見せた。9年連続で上昇している労務単価は「伸び率は全産業を上回るが水準自体はまだ低い」と指摘。実勢価格の反映とともに働き方改革の進展を踏まえた対応が必要との考えを示し、「来週中にも(単価を)決めたいとの話があった。確実に引き上げていただけるものと確信している」と述べた。
賃上げ企業の加点措置では現場実態に合わせ柔軟運用する姿勢を示した財務、国交両省の対応を評価。その上で根本会長は「フィードバックは必要。業界の声をもらって適切なものになるよう今後も取り組む」と話した。さらに「岸田内閣の賃上げを公共事業の部分がリーディングセクターとして反映すべきだ」とし、民間セクターを含む業界全体への波及に期待を示した。
低入札価格調査基準の見直しなどダンピング対策の徹底・強化の必要性も強調。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による生産性向上や建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・促進など担い手確保策も要望した。