2022/1/20(木)
新聞記事
令和4年1月19日 建設工業新聞
建設工業新聞

関東整備局、1都8県建協と意見交換
賃上げ企業への加点説明
協会から慎重な対応求める声も

関東1都8県の建設業協会と関東地方整備局は、18日に意見交換会をウェブで開いた。意見交換で関東整備局は4月契約分から実施する賃上げ企業に対する総合評価方式での加点措置などを説明。建協幹部は「地域建設業の意見をしっかりと把握してから進めていってもらいたい」(青柳剛群馬県建設業協会長)など慎重な対応を求める声が複数出た。

埼玉県建設業協会の伊田登喜三郎会長は「まだ詳しく勉強していないが違和感を覚える」と指摘。賃上げの必要性に理解を示しながらも、賃上げを確認した上で次年度以降から加点するような対応を求めるとともに、「実行できないとマイナス(評価)になるのに不安を感じる」と懸念を表明した。

群馬建協の育柳会長は「総合評価方式の入り口のところでのインセンティブを与えること自体が制度設計になじまないのでないか」とし、竣工時の評価を提案した。「急に出てきた方式なので業界としては唐突感が拭えない」とも述べ、所得総額の捉え方などを丁寧に議論するよう求めた。

岸田政権は昨年10月に「新しい資本主義」を実現する施策の一つとして、企業の賃上げを促進するため政府調逹で優遇する方針を打ち出した。国土交通省などが政府調達で賃上げする企業に総合評価方式で加点する方針を示している。加点措置は大企業で3%以上、中小企業は1.5%以上の賃上げが対象になる。総合評価方式の形式ごとに4〜1点を加点する。賃上げ実績は法人事業概況説明書や税務申告書類、給与所得の源泉徴収書などで確認する。関東整備局は独自の取り組みとして、賃上げ実績の証明書類を受け付ける窓口を一本化。受発注者の事務負担を軽減する。