国土交通省は、3月から適用する新たな公共工事設計労務単価の決定を踏まえ、地方自治体や建設業者団体に向けて、19日付で技能労働者に対する適切な賃金水準の確保を要請した。
特に今回は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、低下した単価の据置措置を実施したことから、技能者の確保・育成には賃金引き上げを起点とした労務単価上昇によるさらなる貨上げの好循環の重要性を強調。賃金水準の改善が図られるよう、各者に適切な取り組みを促している。
下請業者へのしわ寄せや技能者に賃金低下を引き起こすダンピング(過度な安値受注)受注は行わないよう、業界団体にを改めて徹底を求めた。自治体にはダンピング対策を強化するよう強く要請している。
他方、技能者の処遇改善につながる建設キャリアアップシステム(CCUS)については、業界団体に早期の事業者・技能者登録や現場登録、カードリーダー設置などを要請。その促進のために、自治体にはCCUS活用のインセンティプ(優遇措置)の導入を求めた。
入札契約関係では、3月1日以降に契約を締結する工事のうち、旧単価を適用して予定価格を積算しているものについて、新労務単価に基づく請負代金に変更する。2月28日以前に契約を締結した工事のうち、3月1日に工期の始期が到来していないものには、インフレスライド条項の規定を適用する。
主な民間発注者団体にも、労務単価の引き上げや定価単価の据置措置などについて周知した。民間事業は労務単価とは直接関係ないが、建設分野の品質確保や担い手確保に向けた動きを紹介し、協力を依頼している。