自民党「公共工事品質確保に関する議員連盟」の根本匠会長ら幹部は16日、東京・霞が関の国土交通省に赤羽一嘉国交相を訪ね、円滑な施工確保と建設産業の担い手確保に関する要望書を提出した。15日に開いた総会を踏まえ、公共工事設計労務単価・技能者単価の引き上げを要望。地方自治体を含む公共発注者と建設業団体などの緊密な意思疎通を通じて公共工事の円滑な施工確保に万全を期すよう求めた。
根本会長は公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に発注者責任が明記されていることを踏まえ、働く人の賃金上昇や生産性の向上といった政策手段を発注者責任で取り組むことが重要だと強調。その上で▽公共工事の円滑な施工の確保の徹底▽公共工事設計労務単価・技術者単価の引き上げ▽建設産業の担い手確保の取り組みの推進−の3項目を要望した。
「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021〜25年度)の初年度分が措置された20年度第3次補正予算をはじめ今後の公共事業予算の迅速・着実な執行を図るため、適正な予定価格の設定や設計変更の実施、ダンピング対策の徹底、適正な工期設定、施工時期の平準化などを強力に進めるよう要望。これまでの賃金上昇の好循環を引き続き継続させるため、労務単価・技術者単価の引き上げを求めた。
公共工事の品質確保には建設産業の担い手確保が不可欠とした上で、処遇改善や働き方改革、生産性向上の取り組みが急務と指摘。ICT(情報通信技術)の活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・促進など担い手確保に向けた施策の一層の促進・充実に努めるよう求めた。
品確議連の野田毅最高顧問は「建設現場の担い手確保の重要性は公共も民間も共通している。まずは国が先導的に取り組み、民間も一緒に努力してもらいたい」とした。