国土国交省は、地方自治体での施工時期の平準化を促進するため、市区町村単位での取り組みを強化する。これまで人口10万人以上の市を対象としてきた個別の働き掛けを2021年度から10万人末満の市にも拡大。22年度には各自治体の具体的な取り組みや発注・執行状況の基本データを整理した「平準化カルテ」を全国の市町村で整備する。
根本会長は公共工事品確法に発注者責任が明記されていることを踏まえ「発注者側が処遇改善をはじめ適正な工期設定や施工時期の平準化などの政策手段に取り組まなければいけない」と強調。建設業界の努力によって公共工事設計労務単価が8年連続で引き上げられていることを評価した上で「発注者、業界、政治家が三位一体となり、これからも長期的な担い手の確保などの取り組みを続けていきたい」との考えを示した。
国土交通省の青木由行不動産・建設経済局長は、設計労務単価のプラス改定によって「予定価格が上がり、給与も払うという好循環が続いている」と分析。新しい設計労務単価については「近々公表すべく最終調整をしている。調査年が昨年となる今回は、新型コロナウイルスの影響をどのように取り扱うかなど大変難しい年だと思っている。最終局面、頑張っていきたい」
と述べた。
議連は関係13団体から要望書を受け取った。今後の担い手確保のため、労務単価、技術者単価のさらなる引き上げを求める声が寄せられた。
総会では国交省の東川直正官房技術審議官が公共工事品確法の運用指針に基づき、直轄事業での先導的な取り組みを説明した。法律や運用指針に位置付けられた取り組みを地方自治体にも浸透させるため、発注者間の連携を強化。地域発注者協議会などを通じて直轄や各発注者の取り組みを共有・展開していると報告した。
要望書を提出したのは▽日本建設業連合会▽全国建設業協会▽全国中小建設業協会▽全国建設産業団体連合会▽建設産業専門団体連合会▽建設コンサルタンツ協会▽全国測量設計業協会連合会▽全国地質調査業協会連合会▽コンサルティングエンジニア連盟▽日本道路建設業協会▽日本橋梁建設協会▽プレストレスト・コンクリート建設業協会▽全建総連ーの13団体。