自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(会長・根本匠衆院議員)は15日、東京・永田町の参院議員会館で総会を開いた。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用状況、建設業の担い手確保に向けた取り組みを議論。出席した国会議員からは、働き方改革や生産性向上に取り組んで働く人の賃金が維持・上昇するよう「労務単価をしっかり上げていかなければいけない」との指摘が上がった。
根本会長は公共工事品確法に発注者責任が明記されていることを踏まえ「発注者側が処遇改善をはじめ適正な工期設定や施工時期の平準化などの政策手段に取り組まなければいけない」と強調。建設業界の努力によって公共工事設計労務単価が8年連続で引き上げられていることを評価した上で「発注者、業界、政治家が三位一体となり、これからも長期的な担い手の確保などの取り組みを続けていきたい」との考えを示した。
国土交通省の青木由行不動産・建設経済局長は、設計労務単価のプラス改定によって「予定価格が上がり、給与も払うという好循環が続いている」と分析。新しい設計労務単価については「近々公表すべく最終調整をしている。調査年が昨年となる今回は、新型コロナウイルスの影響をどのように取り扱うかなど大変難しい年だと思っている。最終局面、頑張っていきたい」と述べた。
議連は関係13団体から要望書を受け取った。今後の担い手確保のため、労務単価、技術者単価のさらなる引き上げを求める声が寄せられた。
総会では国交省の東川直正官房技術審議官が公共工事品確法の運用指針に基づき、直轄事業での先導的な取り組みを説明した。法律や運用指針に位置付けられた取り組みを地方自治体にも浸透させるため、発注者間の連携を強化。地域発注者協議会などを通じて直轄や各発注者の取り組みを共有・展開していると報告した。
要望書を提出したのは▽日本建設業連合会▽全国建設業協会▽全国中小建設業協会▽全国建設産業団体連合会▽建設産業専門団体連合会▽建設コンサルタンツ協会▽全国測量設計業協会連合会▽全国地質調査業協会連合会▽コンサルティングエンジニア連盟▽日本道路建設業協会▽日本橋梁建設協会▽プレストレスト・コンクリート建設業協会▽全建総連−の13団体。