2021/2/2(火)
新聞記事
令和3年1月29日 建設通信新聞
建設通信新聞

3次補正成立
5か年強靭化投資が始動
政府公共事業費は2.4兆円

「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の初年度分の財源を盛り込んだ、2020年度第3次補正予算が参院本会議で可決・成立した。総額15兆4271億円を新型コロナ感染拡大に伴う追加経済対策や国土強靱化対策に充てる。3次補正予算の成立により、事業規模15兆円程度とする5か年加速化対策に基づく頭靱化投資が始動する。

3次補正予算における政府全体の公共事業関係費は2兆4610億円。国土強靱化関係に限定した公共事業関保費は1兆7488億円で、そのうちの5か年加速化対策分は1兆6500憶円となった。激甚化する風水害や切迫する大規模地策等への対策(1兆5400億円)や予防保全型インフラメンテナンスヘの転換に向けた老朽化対策(3984億円)、国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化の推進(272億円)などを進める。

公共事業や強靱化対策の中心役割を担う国土交通省関係の3次補正予算の内訳は、公共事業が1兆9342憶円、非公共事業が1兆3569億円で、合計3兆2912億円を措置した。国交省分の5か年加速化対策の予算額は1兆3684億円で、気候変動を見据えた「流域治水」や地震時などに著しく危険な密集市街地対策、防災公園の耐災害性強化、津波対策などを推進する。

5か年加速化対策で新たに盛り込まれたインフラ老朽化対策や高規格道路のミッシングリンクの改善といった新たな事業メニューにも対応し、「災害に強い国士幹線道路ネットワークの機能強化対策」(国費2058億円、財政投融資5000億円)、「河川・ダム、道路、鉄道、港湾等の重要インフラに係る老朽化対策」(1294億円)などで取り組みを進める。

国土強靱化に関連した施策の効率化に向け、インフラ整備・管理などのデジタル化の費用も131億円を計上。3次元モデルやカメラ画像などを活用することで、盛土・堤防が被災した際の対応の迅速化や斜面管理の高度化を実現する。

施工時期の平準化などに向けて活用する国庫債務負担行為(ゼロ国債)には1763億円を設定した。