政府の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の閣議決定に関し、建設関連6団体の首脳が11日にコメントを発表した。
22年度以降は当初予算で措置を/日建連・山内会長
日本建設業連合会(日建連)の山内隆司会長は、三か年緊急対策を上回るおおむね15兆円規模で閣議決定されたのに対し、政府・与党の関係者に感謝の意を示した。
その上で「十分な施工余力を生かし、円滑な施工に万全を期すとともに、デジタル化の推進などによる生産性向上に向けた取り組みを引き続き強力に進めていく」と決意を表明。必要なインフラ施設整備や人材の確保・育成、資機材の調達などを計画的に行っていくには当初予算での予算措置が不可欠として、2022年度以降は当初予算での所要額の措置を求めた。
会員一丸で事業執行に万全期す/全建・奥村会長
全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長は「人命・財産を守る対策のみならず、交通ネットワークなどの強化対策やインフラの老朽化対策、デジタル化の推追による安全性・生産性向上対策、担い手確保対策に至るまで幅広く拡充いただいた」として、関係者に謝意を表した。「全建と47都道府県建設業協会は会員企業の施工能力を生かし、事業の執行に万全を期す」と約束した。2022年度以降の予算措置は防災・減災、国土強靱化の取り組みを安定的かつ継続的に進められるよう、当初予算の特別枠での計上を要望した。
地方自治体の集中対策に道筋/全中建・土志田会長
全国中小建設業協会(全中建)の土志田領司会長は、5か年加速化対策の閣議決定に対し「地方自治体が集中的に実施している防災・減災、国土強靭化のための対策や老朽化対策に道筋をつけていただいた」と謝意を示した。公共工事の資材調達に大きな支障はなく、人手不足などの施工能力にも問題がないと説明。2020年度第3次補正予算と21年度予算の編成に当たり、人材確保・育成、資機材の調逹などに見通しをもって計画的に行うことがコロナ禍の景気の下支えになると強調し、大幅な公共投資を機動的に実施するよう要望した。
必要な事業を着実に推進/建コン協・高野会長
建設コンサルタンツ協会(建コン協)の高野登会長は、災害対策老朽化対策や耐震化対策はじめ強靱な国土形成のために「必要な業務遂行に全力を尽くす」とコメント。コロナ禍でも調査・設計といった業務の実施体制を十分に整え、建コン業界の使命を果たすと表明。2021年度以降も当初予算に必要な事業費を適切に組み込み「必要な事業が計画的、着実に推進できる」よう要請した。
DX推進へ計画的予算を/全地連・成田会長
全国地質調査業協会連合会(全地連)の成田賢会長は、頻発する激甚災害に対応する上で「5か年加速化対策は時宜を得たもの」と政府を評価。生産性向上などを一層推進するため、今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入促進するための技術開発や設備投資など「計画的な予算措置をお願いしたい」と注文を付けた。
安全・安心な社会へ/全測連・方波見会長
全国測量設計業協会連合会(全測連)の方波見正会長は「コロナ禍で大きく冷え込んだ日本経済を立て直す上でも実にタイムリーな施策で喜ばしい」とコメント。防災・減災、国土強靱化対策での財政出動に謝意を示した。災害から国民の生命や財産、生活を守り、安全・安心な社会づくり向け、「測景設計業界としてもその実現に大きく貢献したい」と決意表明した。