自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(根本匠会長)は20日、東京・永田町の党本部で総会を開き、改正公共工事品確確保促進法(公共工事品確法)に基づき発注者の共通を定める[運用指針」の改正案をおおむね了承した。今後、与党の国土交通部会に改正案を報告した上で、30日にも関係省庁連絡会議で申し合わせる。2020年度に新指針による発注事務を開始する。
運用指針は国が自治体や学識経験者、民間事業者などの意見を聞いた上で策定することになっている。策定の中心的役割を担う国土交通省は8月上旬に「骨子案」、10月下旬に「本文案」を公表し、2段で意見を募集。骨子案には251団体から2521件、本文案には327団体から1497件のの意見が寄せられた。これらを集約、反映して「改革案」をまとめた。
全国的に災害が頻発する中、迅速で円滑な復旧・復興のため、災害時の緊急対応に関する内容を充実させた。新たな章として「災害時におりる対応」を設け、災害時の入札契約方式の選定や、現地の状況を踏まえた発注関係事務に関する措置を、主事と業務(測量・調査・設計)それぞれで明記した。建設業や業務に関する各種団体や、他の発注者との連携に関する事項も加えた。
改正法の趣旨に沿って公共工事に関する測量、調査、設計を運用指針の対象として明確化。「発注係事務の適切な実施のために取り組むべき事項」と「多様な入札契約方式の選択・活用」の二つの章に、「測量、調査及び設計」の事項をそれぞれ追加。業務の内容に応じてプロポーザル方式で技術提案を求めることなどを盛り込んだ。
働き方改革や生産性向上の取り組みに関連する事項を充実させた。適正な工期・履行期限の設定や、計画的な発注や履行期限の平準化などの取り組みを強化する施策を明記。受注者との情報共有や協議の迅速化などでは、工事、業務ともにBIM/CIMや3Dデータを積極的に活用するとともに、テレビ会議やウェアラブルカメラを活用するなど情報共有が可能となる環境の整備も盛り込んだ。