日本建設業連合会(日建連)の山内降司会長ら首脳は、東京・永田町の自由民主党本部を21日に訪れ、稲田朋美幹事長代行と岸田文雄政務調査会長、鈴木俊一総務会長の3人に2020年度公共事業予算の要望を行った。相次ぐ大規模自然災害を踏まえ、「防災・滅災、国土強靭化のための3か年緊急対策」(18〜20年度)で掲げた目標の達成と対策後も見据えた取り組みを要請。ストック効果の高い社会資本整備を戦略的に実施するため、公共事業費の思い切った増額と発注者の体制強化を求めた。
要望では、東日本大震災や台風15号、19号など自然災害からの復旧・復興の加速と来年度末で終了する3か年緊急対策後の社会資本整備の着実な推進により、東京五輪後も経済の好循環をさらに拡大するため、19年度補正予算と初年度当初予算で公共事業費の大幅な増額が必要だと訴えた。
日建連は、週休2日の実現と建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・推進を活動の柱に取り組んでいる。新技術導入やICT(情報通信技術)、人工知能(AI)、3Dデータの利活用など、i-constructionの推進による生産性向上が欠かせないとし、技術開発投資などへの重点配分を求めた。
インフラの整備と維持管理の実施や災害の頻発に的確に対応すると同時に、公共工事の品質確保の取り組みを確実に推進するため、国や地方公共団体に対し、必要な知識や技術を有する職員の確保と育成を合む体制の強化を促した。
要望は、山内会長と宮本洋一副会長、押味至一副会長が行い、佐藤信秋参院議員が同行した。28日には、赤羽一嘉国土交通相に要望する予定だ。