自民党の「官公庁営繕を考える議員の会」(会長・山本有二衆議院議員)は7日、総会を開き、19年度当初予算や今年度補正予算で、宮庁営繕関係費を満額確保することなどを盛り込んだ「官公庁営繕に関する緊急決議」を採択レた。
総会の冒頭、同議連顧問の佐藤信秋参議院議員は、自然災害が「これだけ起きてくると、官公庁施設が重要な拠点になる。そういう大事な役割を痛感している」と述べるとともに、環境対応や木材利用などの「建築金体をリード」する役割があることも強調。そのための必要な予算を確保しなければならないとの考えを示した。
総会では、業界団体からのヒアリングを実施。全国建設業協会(近藤晴貞会長)は、官庁営繕工事おける諸課題を、指摘した上で、国、都道府県、市町村それぞれに対し、必要な対応を求めた。
国に対しては、中・長期的な視点の国土強靭化計画を策定し、庁舎の改築・改修を通じて国土強靭化を進めることや、適正な請負金額を設定できる国土交通省の営繕積算方式、入札時積算数量活用方式を自治体に普及させることなどを要望。
都道府県に対しては、学校等の新築・改修工事で、授業の制約などにより厳しい実工期になりがちなため、適正な工期に留意すること、市町村に対しては適切な設計・監理等を行ってもらうため、中立的な第三者機関を活用しアドバイスやチェックを受けられる体制の検討なとを要望した。
公共建築協会(春田浩司会長)はヒアリングで、官公庁施設の整備について要望。国交省では耐震・津波の基準や標準仕様書等の各種基準を策定するなど、所管施設整備のために先導的な取り組みを進めていることから、これを自治体に周知・普及させ、官公庁の安全・安心の更なる向上につなげることを求めた。併せて、首里城の早期復元も要望した。
議連は、これらの要望を踏まえは、8項目からなる緊急決議を採択。20年度当初予算や今年度補正予算で、官庁営繕関係費を満額確保すること、耐震化の推進や地域防災と連携した防災機能を強化すること、バリアフリー化の促進など既存施設の改修・維持修繕を推進すること、自治体に「営繕積算方式」や「入札時積算数量書活用方式」を普及させることなどを決議している。