公共工事品質確保促進法(品確法)の改正へ、その取り組みが本格化することになりそうだ。2日の自民党・公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連、会長・根本匠厚生労働相)の総会で、佐藤信秋幹事長(参院議員)は、改正内容の具体化に向けた議論のフィールドとして『公共工事品確法改正プロジェクトチーム(仮称)』の設置を提案、了承された。
ことし7月3日の品確議連・総会で、次期通常国会での品確法の改正を提起していたように、中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会「基本問題小委員会」の提言を受けて、国土交通省を中心に、その動きが加速している建設業法の改正もにらみながら、改正内容の具体化を図る見通しだ。
特に現在の建設産業にとって、喫緊の課題となっている担い手の確保・育成を念頭に長時間労働の是正や従事者の処遇の改善といった「働き方改革」の推進や、地域の建設業が相次ぐ自然災害にいかに対応していくかといった点をテーマにした議論が進むものとみられる。
実際に、2日の品確議連・総会でも日本建設業連合会(山内隆司会長)や全国建設業協会(近藤晴貞会長)など8団体から、災害対応における課題や、働き方改革の推進に関する意見を聴取。根本会長は「(業界団体の意見を踏まえながら)これからの日本を支えていく建設業がさらに成長できるように、議連として必要な体制をつくっていく」と力を込めた。
出席した国会議員からも「品確議連の使命は(社会資本整備の担い手である建設産業に)良い資産を残してもらう、よい仕事をしてもらう、そのための環境整備をいかに進めていくかということにある」という意見が上がった。
前回の品確法の改正は、2014年の「担い手3法」の制定ということになる。
その担い手3法の最大のポイントは、公共工事における品質の確保を目的としてきた、品確法の基本理念に担い手の中長期的な育成・確保を追加。適正な予定価格の設定やダンピング(過度な安値受注)の防止、計画的な発注、適切な工期設定・設計変更といった『発注者の責務』を明確化する中で、受注者(建設企業)の『適正な利潤の確保』にまで踏み込んだ点にあった。
働き方改革や災害対応を旗印にいかに現場の実情を改正内容に反映していけるか。プロジェクトチームの今後の議論が問われることになる。