自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の総会が29日、東京都内で7年ぶりに開かれ、新会長に元復興相の根本匠衆院議員が就任した。14年6月に施行された改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)を議論した公共工事契約適正化委員会の継続も決定。野田毅衆院議員が引き続き委員長を務め、議連の最高顧問にも就いた。
幹事長には佐藤信秋参院議員、事務局長には梶山弘志衆院議員、事務局長代理に足立敏之参院議員がそれぞれ就任した。根本氏は03年の議連発足時からのメンバーで、これまで幹事長を務めてきた。議員立法として05年4月に施行された最初の公共工事品確法の制定にも関わった。
根本氏は、議連発足当時は建設業界が低価格受注競争を強いられ、「公共工事の品質確保とそれを担う建設産業の再生を図ろうと取り組んだ」と公共工事品確法の制定過程を振り返り、14年の改正で歩切りの禁止や適正利潤の確保など発注者の責務が明確化されたことで「建設業がきちんと運営できるように、ようやくなってきた」と強調。「品質確保をめぐってはさまざまな課題が依然としてある。議連で幅広く議論しながら強力に推進したい」との意向を示した。
総会では、国土交通、総務、農林水産の各省に改正公共工事品確法の運用状況や建設業の担い手確保に向けた取り組みなどをヒアリング。国交省は、発注者の共通ルールとして定めた運用指針に基づく取り組み状況を説明し、ダンピング対策の低入札価格調査制度や最低制限価格制度の未導入自治体が3月末時点で158市区町村と着実に減少している状況などを報告した。
国交省は、災害時の入札契約方式をめぐり、東日本大震災と熊本地震を例に段階ごとにどのような契約方式を採用してきたかも紹介。非常時に適切な入札契約方式が適用されるよう、ガイドライン作成の準備に入っていることも説明した。
議連で今後取り扱う課題について佐藤参院議員は、災害時に採用する契約方式を挙げ、「問題は発注者の基準や運用がまちまちなこと。制度的に対応できるかを含めて検討してみたい」との考えを示した。