国が策定する公共工事品質確保促進法に基づく運用措針案のうち、「必ず笑施すべき事項」と「実施に努める事項」に分類されるポイントは次の通り。
【必ず実施すべき事項】
〈予定価格の適正な設定〉
予定価格の設定に当たっては、適正な利潤を確保することができるよう、市場における労務および資材等の取引価格、施工の実態等を的確に反映した積算を行う。積算に当たっては、適正な工期を前提とし、最新の積算基準を適用する。
〈歩切りの根絶〉
歩切りは、公共工事の品質確保の促進に関する法律第7条第1項第1号の規定に違反すること等から、これを行わない。
〈低入札価格調査基準または最低制限価格の設定・活用の徹底等〉
ダンピング受注を防止するため、低入札価格調査制度または最低制限価格制度の適切な活用を徹底する。予定価格は、原則として事後公表とする。
〈適切な設計変更〉
施工条件と実際の工事現状の状態が一致しない場合、適切に設計図書の変更およびこれに伴って必要となる請負代金の額や工期の適切な変更を行う。
〈発注者間の連携体制の構築〉
地域発注者協議会等を通じ、各発注者の発注関係事務の実施状況等を把握するとともに、各発注者は必要な連携や調整を行い、支援を必要とする市町村等の発注者は、地域発注者協議会等を通じて、国や都道府県の支援を求める。
【実施に努める怒項】
〈工事の性格等に応じた入札契約方式の選択・活用〉
各発注者は、工事の性格や地域の実情等に応じて、多様な入札契約方式の中から適切な入札契約方式を選択し、または組み合わせて適用する。
〈発注や施工時期の平準化〉
債務負担行為の積協的な活用や年度当初からの予算執行の徹底など予算執行上の工夫や、余裕期間の設定といった契約上の工夫等を行うとともに、週休2日の確保等による不稼働日等を踏まえた適切な工期を設定の上、発注・施工時期等の平準化を図る。
〈見積もりの活用〉
入札に付しても入札者または落札者がなかった場合等、標準積算と現場の施工実態のかい離が想定される場合は、見積もりを活用することにより予定価格を適切に見直す。
〈受注者との情報共有、協議の迅速化〉
各発在者は受注者からの協議等について、速やかかつ適切な回答に努める。設計変更の手続の迅速化等を目的として、発注者と受注者双方の関係者が一堂に会し、設計変更の妥当性の審議および工事中止等の協議・審議等を行う会議を、必要に応じて開催する。
〈完成後一定期間を経過した後において施工状況の確認・評価〉
必要に応じて完成後の一定期間を経過した後において施工状況の確認および評価を実施する。