2015/1/22(火)
新聞記事
平成27年1月22日 建設工業新聞



公共工事品確法
運用指針は3部構成
月内策定へ国交省が案報告








自民党公共工事品質確保に関する議員連盟の公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)は、21日に党本部で開いた会合で、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき発注者共通ルールとして国が作る「運用指針」案について国土交通省から報告を受けた。指針は、「本文」と実務の参考にする「解説資料」「その他要領」の3部で構成。受注者が適正利潤を確保できる適正な予定価格の設定方法や「歩切り」の禁止などを明記した。

指針案には昨年6月の改正法施行後に骨子イメージ案や骨子案に対して地方自治体や建設業界が寄せた意見を反映させた。指針は、月内にも開く公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議で正式決定する。

国交省は公共発注機関などに内容を周知する説明会を開催。4月1日に改正公共工事入札契約適正化法(入契法)が全面施行されるのに合わせて運用指針に基づく発注事務を始め、指針に関する相談窓口も設ける。

指針の本文では、発注関係事務を適切に実施するため、▽調査・設計▽工事発注準備▽入札契約▽工事施工▽完成後−の各段階に取り組む事項を提示する。

工事発注準備段階では、受注者が適正利潤を確保できるよう最新の積算基準などを適用して予定価格を設定。債務負担行為の積極活用や年度当初からの予算執行の徹底などで工期の平準化にも努めるとした。ダンピング受注を防ぐ観点から、予定価格の公表時期を入札後とすることも明記した。

発注事務を適切に実施するため、発注機関は職員を育成し、工事成績評定の相互利用も促進。地域発注者協議会などを通じて発注者間の連携体制を構築し、市町村などが国や都道府県に支援を求めることも盛り込んだ。工事の性格や地域の実情に応じて多様な入札契約方式を選択または組み合わせて適用することも明記した。

野田委員長は「この20年、公共工事の価格破壊がデフレの要因にもなった。地域に人材を残すためにも指針案に示された内容にしっかり取り組みたい。地域ごとの説明会では市町村にもそうしたことを伝えてほしい」と国交省に要請した。

3部構成のうち解説資料は国交省が作成。その他要領は、本文に示された取り組み事項に対応して各省庁が作る。