全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省などによる14年度のブロック会議が7日、関東甲信越地区を皮切りに始まった。全建は、担い手の確保・育成に向け公共事業予算を安定的・継続的に確保することが重要だと訴える。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)をはじめ担い手3法の適正運用をや、各地区の実情を踏まえた課題解決も呼び掛ける。関東甲信越地区の会合では、担い手確保・育成に双方が一段と力を入れる方針で一致した。
同地区の会合は、東京・大手町の経団連会館で開催。全建からは、近藤会長、渡邉勇雄関東甲信越地方建設業協会会長(栃木県建設業協会会長)、10都県の協会幹部、国交省からは吉田光市建設流通政策審議官、山田邦博官房技術審議官、越智繁雄関東地方整備局長らが出席した。冒頭、渡邉会長は「担い手3法が国会の全会一致で成立し、将来を見据えた環境の変化に大きな期待を見いだせる」と述べ、施工者の適正利潤の確保などをうたった同法の適正な運用をあらためて要請した。
吉田審議官は「ダンピング受注がなくなり、発注(時期、量)も工夫してくれた、と実感していただける方向に持っていきたい」と応じ、公共工事品確法に基づき年内に予定する「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)の策定に意欲を見せた。山田技術審議官は「現場の生産性を上げることが特に重要」と強調。国交省が同日公表した運用指針の骨子案を踏まえ、工期設定に関する意見を幅広く求める考えを示した。
近藤会長は、ブロック会議のスタートに当たり、「運用指針をいかに実効性あるものにするかが重要だ。多くの発注機関に浸透する努力を地道に継続したい」と抱負を述べた。公共事業の執行に関しては「適正な価格、工期が設定されれば、公共事業の消化余力に懸念はない」と強調した。
同地区の各協会は、▽公共事業予算の安定的・持続的な増額確保と人材確保・育成▽自然災害対策の強化▽公共工事品確法の改正趣旨の具現化による地域建設業の活性化▽低入札価格調査基準額の引き上げ▽主任・監理技術者の拘束期間短縮▽将来を見据えた担い手の確保・育成―を要望。公共工事品確法の改正を受け、▽工事発注の平準化▽実勢価格を反映した積算▽多様な入札制度による地元業者への安定的な発注▽週休2日に配慮した工期設定▽歩切りの撤廃やダンピング対策の強化を盛り込んだ改正入札契約適正化法の適切な履行―などを申し入れた。