熊本県建設産業団体連合会の橋口光徳会長は、県議会を通じて県内市町村の入札契約制度の改善点を指摘し、その改善状況をフォローアップする仕組みづくりを目指す。25日に自民党熊本県支部連合会(山本秀久会長)、熊本県建設業協会(橋口会長)との共催で開いた改正公共工事品質確保促進法(品確法)の説明会後に日刊建設通信新聞社の取材に答えた。説明会をフォローアップの仕組みづくりに向けたスタートとしたい考え。地域に合った入札契約制度の整備に向け、市町村への効果的な改善指導ができる環境を地域建設業界自らが整えるための行動として注目されそうだ。
橋口会長は、10月の建設常任委員会でも改正品確法について説明する機会を設けるよう県議会側に働き掛けている。県内市町村における歩切りの有無や最低制限価格の状況など入札契約制度の現状を確認し具体的に改善を求める点を指摘できるようにした上で、委員会が市町村に改善を働き掛けるよう求める。さらに常任委員会の場で定期的に各市町村の改善の進捗状況を確認するよう提案する考え。
橋口会長は「国が都道府県に対して改善を要請しているように、県内市町村に対しては県が指導する仕組みが必要だ」と県議会を通じて改善を求める意義を強調した上で、「今回の説明会を、品確法に基づいた入札契約制度に改善するよう自治体に求めていくためのスタートとしたい」とした。
説明会では、佐藤信秋参議院議員が、政府の国土強靱化の取り組みについて、安定的・計画的な公共投資の継続に結びつくと説明した上で、「地域の公共投資については、国土強靱化地域計画が重要だ。県内の災害に対する危険個所などの声を県や市に寄せ、県と一緒に地域計画づくりを進めてほしい」と、県などによる地域計画づくりに協力するよう求めた。
改正品確法については、「担い手を確保するため、発注者は、まず公共工事で仕事をした会社が工夫をすれば利益を残せるようにしなければならない」と意図を説明した。
会場からは、「実際には施工できない施工歩掛りになっている」「発注を平準化してほしい」「労務単価だけでなく、市場単価も上げてほしい」といった意見が出された。佐藤参院議員は、歩掛りや労務単価以外の単価について「改善するよう(政府側に)言っている」としたほか、平準化については「単年度主義の見直しも求めるのと並行して、まず適正な工期設定を求めている」と応じた。また、市の最低制限価格の改善を求める声が上がったことに対し、佐藤参院議員は「現場管理費や一般管理費をもう少し上げるようにするよう国に求めている。予定価格が上がれば、制限価格も一緒に上がるのではないか」との認識を示した。