改正公共工事品質確保促進法(品確法)の適正な運用に向け、地域の建設業界に、首長や議会の理解を得るための能動的な動きが出始めた。自民党熊本県支部連合会(山本秀久会長)と、熊本県建設業協会、熊本県建設産業団体連合会(ともに橋口光徳会長)は25日、改正品確法の説明会を開き、県内建設会社と県内自治体の首長、県会議員ら約300人に改正法の理念の理解と法の精神に基づく地域にあった入札契約環境の整備などを訴えた。
説明会の冒頭、自民党熊本県支部連の山本会長が「改正法が皆さんの期待に添う形にしなければならない」と開催意義を説明したほか、橋口会長は「建設業の願いの法律だ。国会では全会一致で成立した国民の総意の法律と言える。今回の説明会を機に、足腰の強い産業に生まれ変われるようわれわれも努力するので、皆さまもご理解とご協力をお願いしたい」と訴えた。その後、佐藤信秋参院議員が改正法の精神について解説した。
改正品確法では、担い手確保が受発注者の責務となり、地域の担い手の状況を踏まえた入札・契約方法を発注者が選択して採用する仕組みとなっている。ただ、地域の実情にあった入札方法などを決めるためには、発注者が地域の実情を知る必要があるだけでなく、制度改正に当たって県議会議員や自治体の首長の理解が不可欠となる。
国土交通省は、運用指針の策定に向け、既に全国の自治体に対する説明会を開き、地域の実情をヒアリングしているものの、地域のための入札・契約方式を整えるためには、地域の建設業界が自ら理解を訴える行動が求められていた。
こうした地域の建設業界の動きとしては、石川県建設業協会が「いしかわの地域を支える建設産業ビジョン」の策定意義を訴える活動にあわせて県内自治体の首長に対する改正法の説明行脚を実施している。また、中筋豊通島根県建設産業団体連合会会長も全国建設産業団体連合会の総会時に県、市町村、官庁、議会に実情を理解してもらう必要性を指摘していた。
今回の熊本県での説明会は、自民党県連と県内業界団体による共催で、県議や県内自治体首長も巻き込んだ取り組みとしては、全国で初めての動きとなる。