今国会での公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)改正を目指している自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連)に設置された「公共工事契約適正化委員会法制化プロジェクトチーム」(座長・佐藤信秋参院議員)は5日、建設業界団体へのヒアリングを行った。業界側は、中長期的な担い手確保などを目的にした今回の法改正に強い期待を表明。国以外の公共発注機関でも改正法に沿った施策が確実に実施されるようにする措置の検討を求めた。
ヒアリングには、全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長と、日本建設業連合会(日建連)の大田弘土木本部副本部長、全国建設産業団体連合会(全国建産連)の竹澤正専務理事らが出席。業界側の要望に対し、出席議員からも、地方自治体などが国と同様に対応することの重要性を指摘する声が上がった。
ヒアリングでは冒頭、PTの佐藤座長が「改正案のたたき台にさらに意見をいただきたい」と業界側に要請した。全建の淺沼会長は、改正法の早期成立を求めた上で、「この法案には、罰則規定がない。発注者の運用が極めて重要だ。地方自治体などの発注者にも、強制力を持たせて履行の確実性が担保できないか検討いただきたい。成立後は、各地方自治体へ徹底し、現場が適切に機能するよう指導いただきたい」と改正法に沿った施策の実行徹底を重ねて要望した。
担い手確保の観点から、過疎地域では一定規模以下の新設工事について複数年度契約を活用できるようにすることも併せて求めた。
日建連の大田副本部長は、「昨年、一般競争の原則を前提としない多様な入札契約制度の導入や、国と地方自治体、独立行政法人、高速道路会社などの事業者が共通ルールの下で調達を実施することを提案した。改正案にはこれらの要望が強く反映されている」と評価。「公共工事設計労務単価の再引き上げや施工確保対策、多様な入札契約方式など国土交通省の先導的な取り組みをすべての公共工事発注者が導入し、共通のルールの下で発注されることを強く強く期待している」と語った。
全国建産連の竹澤専務理事も、「公共工事の執行に当たって、国と地方自治体が同じルール・基準で工事できる体制をお願いしたい」と強調。実施能力に不安のある地方自治体への支援強化なども求めた。