トップページ > 活動レポート(2013年) > 第8回公共工事契約適正化委員会(12月19日)
> 平成25年12月20日 建設工業新聞記事 




2013/12/20(金)
新聞記事
平成25年12月20日 建設工業新聞




公共工事品確法改正のポイントと効果









年明けの通常国会で自民党が提出を目指す公共工事品質確保促進法の改正について、項目別の課題とそれに対応した改正内容、効果は次の通り。

=さまざまな課題に対応した基本理念、発注者の責務=

【予定価格・工期】

〈課題〉発注者が歩切りをしている▽予定価格が市場価格とかい離していて低すぎる▽工期の設定が短すぎる

〈改正内容〉発生者の責務に、予定価格の適正な設定、不調・不落時の見積もりの徴収、計画的な発注や適切な工期の設定を明記

〈効果〉歩切りがなくなる▽市場価格を反映した労務資材単価を用いた予定価格が設定される

【ダンピング対策】

〈課題〉発注者がどんな低い価格の入札も認めてしまう▽業者側によるダンピング受注も横行している

〈改正内容〉発注者の責務に最低制限価格の設定などを明記するとともに、基本理念にダンピング防止や適正価格での契約を明記し、業界の取り組みを支援

〈効果〉低入札価格調査基準や最低制限価格の導入や改善が推進される

【契約変更】

〈課題〉設計変更や金額、工期の変更を発注者が認めてくれない

〈改正内容〉発注者の責務に、設計変更や契約金額、工期の変更を適切に行うよう明記

〈効果〉契約変更が円滑に行われる▽スライド条項が一層活用される

【点検・維持管理】

〈課題〉維持修繕工事の採算がとれない▽点検・診断が適切に行われていない

〈改正内容〉基本理念に、地域のインフラの維持管理の担い手の確保への配慮や、点検・診断の適切な実施を明記

〈効果〉採算がとれる積算が行われる▽点検・診断の技術を有する者の活用が推進される

=多様な入札契約制度=

【交渉方式】

〈課題〉発注者だけでは仕様が確定できず、実態に合わない発注となってしまう▽もっと民間技術者の技術・ノウハウを一活用した発注ができないか

〈改正内容〉公募により技術提案を審査して選定した者と工法、価格等の交渉を行う方式を認め、その交渉を踏まえて予定価格を決定

〈効果〉受注者のノウハウを活用した調達が実現される▽実際に必要とされる価格での契約が可能能となる

【段階、選抜方式】

〈課題〉技術提案を求める総合評価方式では、受発注者の事務負担が重い

〈改正内容〉競争参加者が多いと想定される場合に段階的に選抜する方式を認める

〈効果〉受発注者の事務負担が大幅に軽減される

【地域の維持管理のための方式】

〈課題〉地域の維持管理のための工事を受注しても採算がとれない

〈改正内容〉複数年度にわたる契約、複数の異なる工事の一括契約、複数企業による共同受注を活用

〈効果〉ロットを大きくするごとで採算性を向上、地元の中小業者による共同での受注をしやすくする

【経営事項審査・総合評価の見直し】

〈課題〉技術者・技能者を育てたり、機械を保有したり、災害対応に協力したりしても、そのことを正答に評価してもらえず、割に合わない

〈改正内容〉経営事項審査・総合評価などで、技術者・技能者を育てたり機械を保有したり、災害時における体制を確保したりする企業を審査・評価

〈効果〉将来を見据え、地域のために貢献する建設企業を応援する。