公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の改正に向けた自民党内の本格的な議論が始まった。公共工事品質確保に関する議員連盟公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)に法制化プロジェクトチーム(PT)が設置され、座長に佐藤信秋参院議員が就任。7日に参加メンバーが集まり、準備会を開いた。佐藤氏は8日、日刊建設工業新聞の取材に「改正案の骨格を年内にまとめる」と言明。議員立法による改正案を年明けからの通常国会に提出する予定だ。
佐藤氏が座長就任
非公開で行われた準備会では、国土交通省が中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会などの場で行っている入札契約制度の見直しに向けた検討状況などを説明したという。
PTは、佐藤氏、脇雅史党参院幹事長のほか、国交省が多様な入札契約制度の導入に向けた検討を行った省内検討会議で議長を務めた鶴保庸介前副大臣など十数人で構成。改正案の骨格の年内取りまとめに向け、数回の会合を重ねる見通しだ。
国交省は、7月と9月に開いた基本問題小委で、建設現場の担い手不足や行き過ぎた価格競争など入札契約制度をめぐる課題を列挙。現在の公共工事品確法でうたっている「公共工事の品質確保」に加え、「中長期的な担い手の確保等にも配慮する」ことを明確化する方向性を示した。
事業の特性に応じて選択できる多様な入札方式については、「技術提案競争・交渉方式(仮称)」「複数年契約」「複数工種・工区一括等契約(仮称)」「コンストラクションマネジメント(CM)方式」「中長期的な品質確保のための評価などの拡充」「オープンブック方式」「コスト+フィー方式」などを例示。これらを体系化するとした。
基本問題小委の議論を踏まえて9月に開かれた議連の契約適正化委で、国交省はこうした議論の経過を説明。入札契約制度の改正に向けた考え方を確認した。
法制化PTの設置は、脇氏も先月に行った講演で「11月早々」と明言していた。参加メンバーが整い準備会を開催したことから、今後、法改正に向けた議論が一段と加速していくことになりそうだ。