自民党で、公共工事品質確保促進法(品確法)の改正法案作成に向けた議論が始まった。7日に開いた品確法改正検討プロジェクトチーム(PT)準備会ではPT座長として佐藤信秋参院議員を選出した。佐藤座長は会合後、「年内には改正法案の骨子は固めたい」との見通しを明らかにした。これまでの党内での議論を踏まえ7日の会合では、法目的や発注者責任から予定価格のあり方、発注者支援まで品確法全条文にわたる改正を行うことを確認した。実現すれば、設計・コンサル・工事に限定した公共調達基本法の位置付けになる。
7日の会合後、佐藤座長は改正品確法案に盛り込む多様な入札方式のうち、予定価格や契約額を民間と交渉して決める交渉方式について、「大規模工事だけでなく、地方建設業が受注する規模でも対象になるようにしたい」との考えを改めて強調した。官積算による予定価格を原因とした不調・不落案件が規模にかかわらず起きていることが理由だ。
また法案については「先行して自民で進めるが、公明党だけでなく野党も含め与野党一致で成立するよう進めていきたい」との考えも示した。
改正品確法案は、従来の法目的と発注者責任として打ち出した「品質確保」に、新たに建設産業界と発注者自身の「担い手確保」を加えるのが大きな特徴。その上で、インフラの品質確保と担い手確保という法目的を達成するための課題、例えば画一的な入札契約制度や市場変化に追いつかない官積算、予定価格のあり方などの対応を具体的に明記することで、国だけでなく地方自治体に対し、産業政策と入札契約制度改革を促す。
PTは今後、改正品確法が具体的効力を発揮するために、会計法・予決令や地方自治法改正が必要かどうかも含め、国土交通省、総務省、財務省と調整し改正法案骨子を固める。
自民はことし1月、公共工事品質確保に関する議員連盟のもとに公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)を発足させ、公共工事の入札契約課題を議論してきた。その結果、品確法の改正が必要と判断、今回の改正法案を具体的に検討するPT発足につながった。