自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」の公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)が4日に開いた会合で、予定価格の上限拘束性のあり方や、極端な安値受注(不当廉売)への公正取引委員会の対応などについて意見が交わされた。
不当廉売への対応については、出席議員から「公正取引委員会は形式的には機能しているかもしれないが、実質的にはまったく機能していない」といった意見が出た。これに対し公取委は、公共工事での不当廉売への警告が約10事業者にとどまっていることを明らかにし、「発注制度の改善と一緒にやらないと独占禁止法の運用もなかなかできない」と現状を説明した。
適正化委の事務局長を務める脇雅史参院国対委員長は、東京都の建築設計案件や政府の衛星電話調達などで起きた極端な安値応札を例に挙げ、「民民(の契約)では商慣習上あり得るが、公共取引では注意すべだ。現行の独禁法でできないなら(法律を)変えるべきだ」と指摘。さらに「会計法だけですべてを縛るには無理がある。新たな法律が必要だ」と強調した。
予定価格についても、出席議員から「予定価格は標準価格であり、100%以上で受注できてもよいはずだ」と上限拘束制に疑問を呈する声が上がった。
これに対し政府側は「予算を執行する上でメルクマーク(となる予定価格)が必要だが、現在の会計法令は、予定価格を厳しくして価格を下げるような運用は予定していない。そういった点があれば是正するべきだ。予定価格は取引の実例価格だけではなく、需給状況や履行難易度を勘案して適正に定めるとしており、徹底していく」(財務省)と応じた。