自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」の公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)は4日、全国中小建設業協会(全中建)と建設産業専門団体連合会(建専連)、建設コンサルタンツ協会(建コン協)の3団体に、公共調達新法の制定に関するヒアリングを実施した。業界側は、予定価格の上限拘束性撤廃や地域性の高い事業への指名競争入札の適用などを要望。野田委員長は「(公共事業は)一過性の物品購入とは違うという考え方で、上限拘束性の問題もブレイクスルーできる余地があるのではないか」と語った。
全中建の松井守夫副会長は「建設産業界長年の要望である会計法の改正などの実現を切に願う」と強調した上で、公共事業予算の大幅な増額などを求めた。緊急性や地域性の強い案件については、金額にかかわらず指名競争入札の採用を法律で定めることも要望。最低制限価格・低入札価絡調査基準傾の引き上げも求めた。
建専連は、予定価格の上限拘束性の撤廃と併せ、ダンピングが発生しにくい紛争環境整備や、地域社会の維持に必要な建設会社の再生などを要望。さらに、才賀清二郎会長は「(13年度の公共工事設計労務単価の引き上げにより)公共工事では(労務費が)値上げされるが、民間工事では引き上げがままならない。しっかりと指導してほしい」と民間工事の発住者に労務単価引き上げを指導するよう要請した。
建コン協の大島一哉会長は、建設コンサルタント業務の調達に関する要望について、「技術重視の選定方式の強化の一言に尽きる」と強調。対外活動委員会の野崎秀則議員長は、建設コンサル会社の存続が困難になり、若手の減少などに担い手も激減していると現状を説明した上で、「品質の優れた社会資本を適正な価格で調達するために、技術力をより重視した選定方式の強化を要望したい」と訴えた。
出席議員からも「予定価格は標準であり、100%以上でも受注できてよいはずだ」「アベノミクスで公共事業をやっても、ダンピングされては意味がない。地方はある程度は指名競争でやるべきだ」といった声が上がった。