自民党は5月31日、政調全体会議で次期総選挙へ向けた政策の考え方を提示した。事実上の選挙公約の位置付けで、国土強靭化も盛り込まれた。ただ、国土強靭化政策に対しては、「税収アップと同時に支出削減の姿勢は崩すべきではない」との指摘も出た。
国土強靭化政策は、経済財政政策の視点から見れば、景気回復へこれまでの財政抑制路線から、民需喚起のために大幅財政出動を認める財政積極路線への転換。
欧州でもこれまで財政抑制策を選択してきたEU(欧州連合)が、再燃した欧州債務危機と景気悪化懸念に対し、積極財政への転換が指摘されているほか、デフレ問題を議論している民主党でも、金融緩和という金融政策だけによるデフレ脱却に疑問の声が上がっている。
災害対応や地域社会維持を主眼にした、自民党の国土強靭化政策が、デフレ脱却を目的にした経済財政政策としても議論される可能性が出てきた。