2011/4/12(木)
平成24年度第1回公共工事品質確保に関する議員連盟
(平成24年4月11日)
平成24年4月12日 建設工業新聞


自民品確議連
予定価格の上限拘束廃止を
復興工事一括発注提案も





自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・古賀誠元幹事長)は11日に総会を開き、入札契約制度改革や東日本大震災の復旧・復興工事について議論した。脇雅史参院国対委員長が議連設立の趣旨に沿って予定価格の上限拘束性の廃止議論を再開する方針を表明。他の議員からは、震災被災地の技術者不足対策として、各省の所管工事をひとまとめにして発注する方法などの検討を求める声が上がった。

品確議連が総会を開いたのは1年3カ月ぶり。国土交通省の担当者が、厳しい経営環境下にある建設産業の現状や、被災地の工事発注で増えている入札不調への対応策として導入した復興JV制度や労務費上昇に対応した労務単価引き上げ措置など、環境省の担当者ががれきの処理・除染の状況などを報告した。

脇氏は「工事価格は市場が決めるもので、予定価格をつくってそこに上限拘束性を持たせている仕組みはおかしい」と現状を批判。その上で「日本の(公共調達)の制度は絶対に発注者が損をしないという非常に曲がった制度で、世界的にも例がない」と述べ、予定価格の上限拘束性などを定める会計法の見直し議論をあらためて検討する考えを示した。

復旧・復興工事の発注では、技術者不足への対策やコスト縮減策として、各省の縦割りを見直し、各被災地に大きな区画を定めて農地や道路、防波堤などの所管省庁の異なる工事をひとくくりにして発注する仕組みを提案する意見が出た。入札不調の改善策として随意契約の活用や、被災地以外から建設業者の参入を促す仕組みなどの検討を求める声も上がった。