佐藤信秋参議院議員は6日、熊本県建設業協会主催の国政報告会で、「今こそふる里を災害から守ろう」をテーマに講演し、国土の強靭(きょうじん)化に向けた取り組みを積極的に進める考えを明らかにした。
佐藤議員は、「日本は全国的にまだ、足腰が弱い。特に、九州は他の地域に比べて2割から3割程度、社会資本整備が遅れている」と述べ、東日本大震災では三陸沿岸部への『くしの歯型』の救援ルートを確保したが、「九州の現状では、東北のような『くしの歯作戦』はできない」と話した。その上で、面積や経済規模、人口が九州と類似しているオランダと比較し、「オランダには延長1500キロの高速道路が整備されているが、九州は700キロに達していない。くしの歯となる横断道路の整備が必要だ」と強調した。
具体的には予算措置としては、「今でも公共事業は経済活性化に効果がある」とし、「国費で3兆円、事業費ベースで5兆円を上積みしていきたい」と話した。法案化も視野に入れている。このほか、予定価格の上限拘束性撤廃や労務単価の適正化に向けた取り組みを紹介した。
報告会終了後の懇親会で、熊本県建設業協会の橋口光徳会長は、「公共事業関係費の5%分執行留保の解除や予定価格の上限拘束性撤廃に加え、国土の強靭化にも取り組んでおり、期待している」とあいさつした。