東北建設業協会連合会(菅原三朗会長)の幹部は28日、宮城県選出の与野党国会議員や、自民党の脇雅史、佐藤信秋の両参議院議員、国土交通省幹部らを訪ね、東日本大震災の救援、復旧、復興活動に向けた各種施策を要望した。要望内容は、激甚災害による「原形復旧」にとらわれない災害に強い社会資本整備の推進や緊急復旧への大型補正予算の確保、建設会社の資金繰りの円滑化など。同時に国や県・市町村などの協定に基づき、地震発生直後から現地で緊急対応をしている地元会員企業への優先発注の徹底を求めた。
脇、佐藤両氏とは参院議員会館で1時間程度意見を交換した。東北建協連は復旧・復興に向けた10の施策を要望。これに対し脇氏は「被災された方々の産業再建や生活再建などを踏まえた上で、今後の復旧、復興を考えていかなければいけない。お金のことは気にせず、いろんな提案をしてもらいたい」と述べた。
佐藤氏は「東北地方整備局に地元市町村との情報の共有や工事一時中止への対応、建設業者の資金繰りの対応などを指示している。要望があればその都度、国会などを通じて提案していく」と要望事項に積極的に対応していく姿勢を示した。
要望事項は次の通り。
▽激甚災害による「原形復旧」にとらわれない抜本的な災害に強い社会資本整備推進▽本復旧のための十分な予算と緊急復旧への大型補正予算の確保▽雇用を支え安心・安全を守る建設業の継続・安全的な仕事の供給▽建設会社への燃料の供給確保、作業員の食料確保▽建設会社の資金繰り確保と応急復旧作業・本復旧工事の前払金の支払い▽被災会社への金融支援▽工事契約書29条(不可抗力による損害)での経費負担の徹底、工事期間以外に保有している重機の損害への対応▽現場代理人・主任(監理)技術者の融通システム構築▽今後想定される資機材・労務費高騰の問題を踏まえた実費精算払いの徹底▽省庁を超えた指揮系統の一本化▽地元会員企業への優先発注・活用の徹底(地域雇用の確保)。