公共調達を適正化するための新法制定について議論している超党派国会議員による「公共調達適正化研究会」は、24日に東京都内6回目の会合を開き、公正取引委員会と国土交通省から意見を聞いた。
この中で公取委は、独占禁止法が禁じている不当廉売の件数の推移や、建設工事での低価格入札問題への対応などを説明。建設工事の低価格入札問題について、独禁法に抵触する不当廉売としての問題があれば、必要な措置を今後も取っていくとの方針を強調した。これに対し研究会の脇雅史参院議員(自民)は、「安いものが良いという会計法の精神がまん延し、コストカットで下請けにしわ寄せが行っている」と指摘した上で、「公正な取引をしっかりとみて対応してほしい」と公取委に注文を付けた。
国交省は、同省直轄工事で講じている主な品質確保対策・不調不落対策や、地方自治体の入札契約制度の現状などについて説明した。
議論の中で脇氏は、随意契約の問題にも触れ、発注者が条件をみて信頼できる企業を選んで随意契約することは世界的にも認められているとした上で、「業者の選定過程をきちんと公表し、国民に納得してもらう仕組みづくりが重要だ」と指摘した。
受注者間の調整行為についても、価格のつり上げというよりも、限られた仕事を地域企業間でシェアするという考え方もあり得るとの認識を示し、現場をよく見て公正な判断するよう公取委に求めた。
脇氏はほかにも、建設技能者の賃金問題に言及。技能者の最低賃金を決めるなどの対策を講じなければ受注価格の下落は止まらないとした強調。公共調達の方法を規定している現在の会計法から離れ、新たな立法づくりを考える必要があると持論を展開した。
国交省の大森雅夫建設流通政策審議官は「(低価格受注の)しわ寄せが資材や下請業者にいっていることは認識している」とした上で、保険未加入企業の排除など施策を適切に打ち出す方針を示した。