土木学会の小澤一雅東大大学院教授は15日、超党派の参議院議員で構成し、公共調達のあるべき姿を探る「公共調達適正化研究会」(委員長・脇雅史参議院議員)の第5回会合で、公共事業改革プロジェクト小委員会が「公共事業調達法」の制定などを盛り込んだ提言を3月末にもまとめることを明らかにした。
土木学会建設マネジメント委員会の委員長として研究会のヒアリングに出席した小澤教授は、公共工事の入札契約について、入札だけでなく、資格審査や施工も含めた「プロセス全体を認識して変えることが重要だ」とし、会計法や地方自治法、建設業法など「公共調達制度の根本を作り直す時期にきている」と述べた。土木学会建設マネジメント委員会では、これまでまとめた公共調達制度の提言を踏まえた上で、「国際展開推進プロジェクト」「公共事業改革プロジェクト」「国際連携プロジェクト」「契約約款企画」の4特別小委員会を設置している。
公共事業改革プロジェクト小委員会が3月末にもまとめる予定の提言では、インフラ整備の将来ビジョンや今後の公共事業執行システム、事業手法と財源確保策、技術基準の国際標準化と戦略的国際展開などを提案する考え。公共事業調達法は、価値の高い公共調達の実現を目的とし、▽事業の特性に応じた契約方式を選択可能▽複数年度予算を活用した事業マネジメント▽予定価格制度から事業予算の管理へ▽リスク概念と時間管理概念の導入▽企業の選定方式の多様化と技術競争の導入▽監督業務の位置付けと技術者制度▽検査制度と監視機能――の7点を盛り込む考えでいることを紹介した。
会合で脇委員長は「われわれと目的意識がまったく同じだ。これからもこの精神を生かし付き合っていきたい」と連携していくよう小澤教授に持ち掛けた。